「ディスプレイ」と「軽さ」で個性を出しつつ、基本スペックも充実させたAQUOS zero2に対し、AQUOS sense3シリーズの2機種は、より幅広いユーザーに訴求するモデルだ。売れ行きという点では、AQUOS sense3シリーズが本命といえる。BCNランキングでは、2017年〜2018年のAndroidスマートフォンの販売数はシャープが1位となり、2019年上半期も1位を継続している。
この好調をけん引しているのがAQUOS senseシリーズだ。同じくBCN調べでは、2019年1月から6月にかけて最も売れたAndroidスマートフォンが、「AQUOS sense2」だったという。
AQUOS senseシリーズの企画を担当する、通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部の清水寛幸氏は、「AQUOS senseの役割は、“スマートフォンの必要十分”を定義する物差しになること」と話す。
そんなAQUOS senseの最新モデル「3」で注力したのが「電池持ち」と「基本性能」だ。4000mAhのバッテリーを内蔵するAQUOS sense3シリーズは、省電力性能に優れたIGZOディスプレイと合わせ、1日1時間程度の利用なら1週間、充電なしでバッテリーが持つという。さらに、HD動画は連続20時間まで再生でき、ヘビーユーザーも満足できることをアピールする。これにより、電池残量を気にする必要がなくなり、日々のストレス軽減につながるとする。
さらに、基板面積を25%小型化することで、4000mAhバッテリーを内蔵しながら、同クラスのバッテリーを内蔵する他のスマホよりもサイズを抑えることに成功。「電池残量を忘れられるほどの実力を普通のサイズで実現した」と清水氏は胸を張る。
基本性能については、ディスプレイはIGZOだけでなく、高画質化技術「リッチカラーテクノロジーモバイル」や、屋外でも見やすい「アウトドアビュー」にも対応させた。カメラは標準+広角のデュアルカメラを採用し、画像処理エンジンは「ProPix2」に進化。手ブレと被写体ブレ補正にも対応した。プロセッサはSnapdragon 630を備え、AQUOS sense2からCPU性能は15%、GPU性能は60%アップした。加えて、より大きな6型ディスプレイを搭載したAQUOS sense3 plusもそろえた。
AQUOS sense2は約3万円で販売されているが、清水氏によると、AQUOS sense3も「sense2と大きく変わらないゾーン(価格帯)を目指している」という。3万円前後のスマートフォンは、HuaweiやOPPOなども投入しているが、AQUOS sense3シリーズは、海外メーカーのミッドレンジ機では省かれがちな、防水やおサイフケータイにも対応する。このスペックで本当に3万円程度で販売されるとしたら、驚異的といえる。
AQUOS zero2とAQUOS sense3シリーズともに販路については「まだ申し上げられないが、取り扱う販売元がいろいろ発表してくださると思うので、こうご期待」(小林氏)とのこと。AQUOS zeroとAQUOS sense2はキャリアやMVNOから販売されているため、今回も同様に、さまざまな販路で登場することが期待できる。
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