地上デジタル放送の開始に伴い、2006年にスタートした携帯電話やカーナビ向けの低解像度放送サービス「ワンセグ」。これまで、日本のケータイやスマートフォンでは当たり前のように搭載されていたが、2020年にはソニー製「Xperia 1 II」やシャープ製「AQUOS R5G」の2モデルのみが搭載し、2021年発売モデルではついに搭載機種がなくなってしまった。
今スマホでテレビを見るには、「外付けテレビチューナーを使う」「テレビ局が配信するアプリを使う」という2つの手段があるので、主なチューナーと配信アプリを紹介しよう。価格は全て税込み。
ピクセラが販売する「Xit Stick XIT-STK210」(サイト スティック)は、iPhone/iPad向けのLightning端子を使用するテレビチューナーだ。価格は同社ECサイトで1万2980円。
視聴可能なのは地上デジタル放送のみだが、高解像度のフルセグに対応。フルセグが受信できない場合はワンセグに自動で切り替わり、チューナーへの充電は不要だ。サイズは約47.8(幅)×31(奥行き)×9.1(高さ)mm、重量は約15gとコンパクトで軽量なのも魅力といえる。
視聴には専用アプリ「Xit」(サイト)を使用し、視聴中の番組は画面右上のボタンをタップすれば録画できる。
ケンコー・トキナーの「モバイルワンセグチューナー KR-012AP」もiPhone/iPad向けテレビチューナーだ。価格は同社ECサイトで1万978円。
バッテリーを搭載し、約3時間の充電で4時間の視聴が可能。サイズは約36(幅)×12(奥行き)×32(高さ)mm、重量は約14gでコンパクトなのは魅力的だ。Lightning端子でiPhone/iPadと接続し、Micro USBで充電する方式となっている。
視聴は専用アプリ「EyeTV Mobile」を使用する。アプリ使用中の録画の他、視聴した映像であればタイムシフト再生が可能。テレビの音声をバックグラウンドで再生でき、字幕や番組表も閲覧できる。スマホのバッテリーが気になる場合にはこちらが便利そうだ。
最後に、アイリスオーヤマ製ワイヤレステレビチューナー「LUCAステーション IST-BAUL201」だ。この製品は同社ECサイト「アイリスプラザ」で2万7280円となっている。
非常に高価に見える製品だが、ルーターとアンテナに接続(アンテナケーブル別売り)し、ピクセラ製のアプリ「LUCA STATION」をインストールすれば、通信可能な場所ならどこでも使えるのが魅力だ。サイズは約118(幅)×36(奥行き)×118(高さ)mmで横置きにも対応するため、家に据え置いて利用するのがメインとなる。
最大2TBの外付けHDDに対応し、接続すれば2番組までの同時録画が可能。地上デジタル放送に加えBS/110度CS放送にも対応している。ただし1度に利用できる端末は1つのみ。iOS/Androidの他、Windowsにも対応している。
他にもスマホでテレビを見られるチューナーをいくつか探したが、アプリに画像や端末IDなど、個人情報へのアクセスを許可するものもあり、最適なアプリと製品のセットを探すのは難しい印象を受けた。
その中でアイリスオーヤマのLUCAステーションは高価ながらピクセラ製のアプリを使用し、通信できる環境ならテレビをいつでも視聴でき、外付けHDDを利用すれば録画も可能と魅力的に見える。筆者が「購入するとしたらどれか」と聞かれたら、LUCAステーションを選ぶだろう。
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