iPhoneでARグラス「Nreal Air」は楽しめない? Adapterを介しても“接続できない”問題の対処法(1/2 ページ)

» 2022年11月24日 16時08分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 iPhoneや家庭用ゲーム機など、さまざまな端末の映像などを、ARグラス「Nreal Air」に投影可能にするための「Nreal Adapter」。平たくいえば、「そんな小さな画面じゃ映画もゲームも楽しめないでしょ。なら130型の巨大スクリーンが目の前に広がるNreal Airで楽しもうよ」というメッセージ性のある製品だ。

 Nreal AdapterはiPhoneをはじめとしたさまざまなデバイスとNreal Airを接続可能にし、ARや映像コンテンツが楽しめるようにと開発されたものだ。iPhoneの場合、Nreal Adapterと別売りの「Lightning Digital AV Adapter」を組み合わせて使う。

Nreal Adapter iPhone iPhoneとNreal Airの間にある白い箱のようなものが、Nreal AdapterとLightning Digital AV Adapter

 価格は8980円(税込み)とアダプターにしては、手頃な価格ではなく高価なものだが、Nreal AirとiPhoneの組み合わせを手っ取り早く実現できるため、一時注目された。9月の発売以降、当初は入荷数が少なく、入手困難な状況が続いた。

 だが、発売から数日後、Nreal AirとiPhoneが接続できているにも関わらず、音声が出力できない不具合が発覚。これといってアナウンスはなく、ユーザーとしてどうやってトラブルシューティングを行うべきなのか、分からない状況がしばらく続いた。

 そもそもNreal Airは付属のUSB Type-Cケーブルで、電源とDisplayPortを使って接続する仕様であるため、Nreal Adapterがなければ接続可能な機器が限られる、というのが難点だ。

Nreal Adapter iPhone Nreal Adapterを使えば、iPhoneの映像や音声をNreal Airに表示できる
Nreal Adapter iPhone ITmedia MobileのWebページもこのように表示できる(ARグラス内の撮影は極めて困難なため、スクリーンショットの合成としている)

 Nreal Adapterの登場で、電源をNreal Adapterに内蔵のバッテリーで賄い、Lightning端子を備えるiPhoneの映像と音声の両方を、問題なくNreal Airに出力できるはずだった。

 ではなぜ音声だけが出力できないのか――。

 もしUSB Type-CケーブルやLightning Digital AV Adapterそのものが不良品であったり、それによって接触不良を起こしているなら、原因はNreal Adapterではなく前者だが、筆者が実機で確認したところ、そうではなかった。

 この疑問をNrealのサポートにぶつけたところ、以下のような回答を得た。

 Lightning 端子は Apple 社純正の「Lightning Digital AV Adapter」(別売) が必要です

 初めてご利用する際に、Nreal Air と Nreal Adapter のファームウェアのアップデートが必要です。

 iPhoneユーザーでNreal Airを使いたい場合、Lightning Digital AV AdapterでLightningからHDMIに変換する必要がある点は知っていたが、初めて使う場合にファームウェアアップデートが必要になる点は初耳だった。この点は特に報道関係者向けに大々的にニュースリリースが送られてはおらず、Nreal Adapterの国内発表会でもそうしたアナウンスはなかった。

 もちろんこうした周知徹底が難しいのは仕方がないことだろう。Nrealは広報体制は日本企業ほどのものではなく、PR代理店がメディア陣の対応を主に行う。海外メーカーが日本に進出する場合、同様のケースがほとんど。だがソフトウェアアップデートが必要な点はユーザーに対して通知を送るなどして、もう少し、分かりやすく周知してほしいところだ。とはいえ、サポートに問い合わせて初めて分かったことなので、そもそも大々的な周知がいるのかは賛否が分かれそうだ。

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