まるで愛玩ロボット? 「HONOR Robot Phone」は2億画素ジンバルが“生き物”のように動く次世代AIスマホ

» 2026年03月05日 16時01分 公開
[佐藤颯ITmedia]

 HONORは現地時間3月1日、新型スマートフォン「HONOR Robot Phone」をスペイン・バルセロナで開催中のMWCで正式発表した。2026年内に中国市場での発売を見込んでいる。

HONOR Robot Phone 次世代AIスマートフォン「HONOR Robot Phone」を正式発表した

ディスプレイもカメラもしっかり強化した折りたたみスマホ

 HONOR Robot Phoneは1月のCESにて存在を明かしたスマートフォンだった。詳細スペックは明かされなかったものの、Qualcommの最新プロセッサ「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を採用し、3軸のジンバル機構を備えるカメラを備える。

 ジンバルカメラには2億画素のイメージセンサーが採用されており、センサー内ズームによって遠くのものでもきれいに撮影できるとうたう。また、カメラのジンバルを制御する3つのモーターは超小型化した専用設計。ロボットとして動作させることを考慮し、細かい動きにも対応できる。これにより、4DoF(4自由度)による高度な手ブレ補正、オブジェクトトラッキングに対応する。

 また、このジンバルカメラについてはドイツの映像機器メーカーであるARRI(アーノルト&リヒター)と技術的な提携を結び、両者のコラボレーションで実現できたという。

HONOR Robot Phone ジンバルカメラは2億画素のセンサーを採用
HONOR Robot Phone ジンバルを制御するモーターはコインよりもさらに小さい超小型とした
HONOR Robot Phone ジンバルの制御などのノウハウはアーノルト&リヒターと提携して作り上げた

 実機を見ると、アームの部分は一般的なアクションカメラと同じような構成だ。サイズとしてはほんの数センチほどの大きさではあるが、本格仕様の作り込みみに驚かされる。ジンバルカメラは起動すると全自動で起動と格納を行うため、特別なセットアップや手動での調整は不要だ。実に簡便な仕様となっている。

 ジンバルの性能は試作品ながらかなり優秀だ。動体撮影のデモンストレーションでは、動く被写体をしっかり追従しつつ、撮影者が多少斜めにしたり、左右に動かしたりしても手振れなく撮影できていた。

HONOR Robot Phone 見た目は小さなジンバルがスマホの上部に軽く載っている印象だ
HONOR Robot Phone 3軸モーターにより、縦横斜めでも水平を維持することができる
HONOR Robot Phone もちろん、ジンバルを用いたアクションカメラとして使うことができる。手ブレを抑えて動画撮影が可能
HONOR Robot Phone ジンバルカメラを格納した様子。カメラのバンプ(出っ張り)部分にきれいに収まる

ジンバルを生かした「ロボティクス」が最大の特徴 愛らしい様子も

 HONOR Robot Phoneは、単にジンバルが付いたスマートフォンではない。スマートフォンに実体的なアシスタント機能を持たせたことで、よりユーザーに寄り添う次世代のAIフォンだといえる。

 同社がこのスマホを「ただのジンバル付きスマホ」とはせず、AIとロボティクスの技術を盛り込んだ全く新しいAIフォンと定義したことも納得だ。今回のRobot Phoneの「Robot」が示すものは、AIアシスタントでありながら、愛玩ロボットに近い印象も受けた。

 コンセプトムービーではジンバルカメラがまさにロボットのような挙動を見せる。ポケットから顔を出した小さなロボットは、自動で周囲の様子を認識し、あいさつを返したり、周囲の音楽などを解析して踊ったりする。ともに旅に出掛けてユーザーとともに同じ時間を過ごす様子も描かれており、まるで家族の一員のようなアシスタントに感じられた。

 このようなAIによるインタラクションとして、話しかけた周囲の声に反応するビデオコール機能、カメラを体のように動かしてボディーランゲージによるエモート機能、音楽に合わせてリズムを刻む機能が紹介された。

HONOR Robot Phone
HONOR Robot Phone スマートフォンでありながら、AIアシスタントロボットの側面がかなり強い紹介だった
HONOR Robot Phone 周囲の状況をカメラで検知し、AIで最適なインタラクションを行えるという
HONOR Robot Phone 実機によるエモートの実演では、音楽に合わせて踊る様子を見られた。絶妙な愛らしさがあった
HONOR Robot Phone 時々、Robot Phone自体が寝てしまう様子も見られた

HONORが示した「次の時代のAIスマホ」の在り方

 HONORはスマートフォンの新たな付加価値として、AIとロボティクスの融合を視野に入れている。ただのAIフォンではなく、スマホを手から離しているときでも、利用者の顔や声を認識し、適切な情報を伝える。移動中はアシスタントロボットとして機能する。ときには愛玩ロボットのような愛らしさも見せ、利用者に寄り添う新しいスマートフォン像を目指している。

 基本性能やカメラ、AIアシスタントなどの各種機能が横並びになりつつある中、スマートフォンは大手メーカーを中心にコモディティ化が進んでいる。そんな普遍化から大きく差別化し、スマートフォンの在り方を変えていく。HONORがAI戦略で掲げる「αプラン」その大きな計画の一歩目がこのRobot Phoneのように思えた。

HONOR Robot Phone HONORが掲げる「αプラン」は、「拡張された知性」を意味する単語に「人」を掛け合わせたもので、AIを便利に活用してユーザーの生活を豊かなものにするとした。αの文字の中に漢字で「人」を入れてきた点は中国メーカーらしいアイデアだ

 そんなHONORのRobot Phoneの「小さなロボット」が魅せる愛らしくて、頼もしい相棒のような存在は、日本で発売しても受け入れられそうだ。筆者もこんなスマホとともにあらゆるシーンを共に過ごしたい。そう思わせてくれるプロダクトだった。そう遠くない未来のスマートフォンは、AIとロボティクスと融合した、真の意味でパーソナルデバイスへと進化していくのかもしれない。

HONOR Robot Phone こんなスマホとあらゆることを共にしたい――そう思わせてくれるプロダクトだった

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  4. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  5. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  6. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  7. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  8. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  9. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
  10. 「えっ、地震?」──LINEが安否確認テスト 1日限定で 「紛らわしい」との声も (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年