IIJmioで10〜25GBが「1年で3倍」に急増した理由 フルMVNOは音声よりも「マルチキャリア化」を重視:MVNOに聞く(2/3 ページ)

» 2026年04月09日 10時28分 公開
[石野純也,ITmedia]

端末メーカーに「うちを実験台に使って」と提案

―― 獲得が順調なのは、端末のセット販売や割引も寄与していると思いますが、いかがでしょうか。

今井氏 キャンペーンで積極的に値引きをしていくと、セット販売率はそのタイミングでグッと上がって上積みができます。チャネルの構成比率も直販が多いですね。

―― 直販だとネット契約ということになりますが、意外でした。ビックカメラなどの店頭がもっと多いのかと思っていました。

今井氏 時系列でお話しすると、コロナ前は店舗が非常に強かったのですが、コロナでそれが一気になくなり、コロナ後は回復傾向にありますが戻り切っていない印象もあります。1つには、その間キャリアがオンラインを推進したことで、ユーザーが購買行動としてオンラインに慣れてきたのもあると思っています。

IIJmio 端末ラインアップが充実しているのもIIJの特徴だ

―― セット販売のラインアップが充実したこともありそうですが、ここまで端末を取りそろえられているのはなぜでしょうか。

今井氏 ないのはiPhoneとPixelぐらいですね。それも中古や未使用品はありますが。10年ぐらい前、矢吹が当時ファーウェイ一色だったときに、新規参入するメーカーに「うちを実験台として使ってくれ」と話していました。メーカーの中の人は転職されて別のメーカーに行くことも多いので、「IIJはそういう会社だ」と伝わっていきます。結果、日本市場で実力を試したいという方がどんどん増えていくことになりました。

IIJmio モバイルサービス事業本部長の矢吹重雄氏

矢吹氏 メーカーさんにとっては、うちを踏み台にしてキャリアとの取引を始めるサクセスストーリーも作れます(笑)。当初は、秋葉原にも負けないラインアップにしようとしていました。ガジェッターやコアなファン層に恥じないものを提供していく方針で、商品ラインアップを増やすことが第一でした。

 それを続けていくプロセスの中で、方針も徐々に変化していきました。音声を契約し、メイン回線としてIIJmioを使うユーザーを増やしていく。買い替えるきっかけを作り、音声回線をどんどん打っていくという方向に切り替わりました。昔はガジェッターのための端末ラインアップでしたが、今はIIJmioに変えていただくきっかけ作りが中心になっています。

 合わせて、ここ2年ぐらいずっとやっているのが、解約率を下げることで、実際、一時期よりもだいぶ下がっています。規制緩和とともに、「mio長得」の復活も含めて、既存のユーザーに対してのアプローチをもう1回やり直すことができるようになりました。15GBの値下げもそうですが、これからも既存ユーザーを育てて一緒に大きくなっていくということはやっていきます。

今井氏 ここまで端末を取りそろえられたのがなぜかというと、間違いなくメーカーさんからの支援をいただいているのが大きい。矢吹が申し上げた通り、まず端末が欲しいという方がいて、そのためにIIJmioに来てみようとなる。そうすると、ワクワクするガジェットがあり、しかもそれがリーズナブルな価格で手に入るという流れがあります。

iPhone 17シリーズの影響でeSIM比率が増加

―― 早くからeSIMを推進していましたが、ここ1年でその成果も大きくなったのではないでしょうか。今、割合はどの程度ですか。

今井氏 新規契約に占める割合は上がっていて、半分を超えたぐらいです。

―― それは、iPhone 17シリーズの影響があったのでしょうか。

今井氏 やはりそうです。時系列でデータを見ていくと、1年前はだいたい6:4ぐらいでじわじわと上がっていましたが、iPhoneが発売した9月に割合が逆転して、そこからは5割を超えています。

―― 準備がしっかりできていたのは効いているということですね。

今井氏 フルMVNOに参入してから、eSIMならIIJというブランドイメージもありました。「eSIMと言えば○○」の中に入れたのはあると思っています。

矢吹氏 フルMVNOをやり始めたときは、キャリアがeSIMをやりたがっていませんでした。そのため、eSIMでナンバーワンになろうと内部ではかなりアクセルを踏んでいたのが実態です。その動きと世の中の流れが合致しました。

今井氏 iPhone Airがそうなりそう(eSIMオンリーになる)という話は早くからあったので、ある程度騒ぎになることは想定して、マーケティング部門、サポート部門とも入念に準備し、キャンペーンや広告の訴求をしています。また、サポートへの問い合わせも多くなるので、FAQの充実化やコールセンターへの落とし込みは早めに動いていました。

IIJmio 早くからeSIMを提供しているIIJは、eSIM専用のサイトも用意しており、対応機種や設定方法を詳しく解説している

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