IIJ(インターネットイニシアティブ)が2月6日、2025年度第3四半期の決算について発表した。売り上げは2493.3億円で前年同期比8.7%増、営業利益は244.1億円で前年同期比17.9%増の増収増益を達成した。
売り上げの内訳を見ると、一時売り上げが3.5%減となったが、これは2024年に実施した、1件約50億円の個別大型案件の反動減によるもの。ストック売り上げは12%増と好調を維持している。
営業利益については、コストが増加基調にある中、谷脇康彦代表取締役社長は「サービス価格は、各サービスで柔軟に改定していく方針」と話す。また、MVNOがキャリアに支払っている接続料については、2020年から導入している将来原価方式の算定精度が向上。今期は予測通りの金額だったため、従来のような払い戻しが発生しなかったことも明かされた。
モバイルサービスの回線数は個人と法人の合計で410.4万に達した。このうち法人サービスは350万回線になり、渡井昭久CFOは「IoT機器の接続、監視カメラなどがコンスタントに積み上がっている」と話す。個人向け「IIJmio」は139.5万回線に達し、IIJmioのサービスを横展開している「JALモバイル」も好調を維持している。「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」がeSIMのみになったことも影響してか、eSIMの回線も好調で20万超に達した。
なお、IIJmioの「ギガプラン」では、2026年3月1日から料金を改定する。15GBプランの月額料金を200円値下げし、音声SIMは月額1600円になる(データeSIMは110円の値下げ)。
この狙いについて谷脇氏は「ギガプランで主に使われている5GBは4割強を占めるが、15GBは2025年12月末で3.7%にすぎない。2025年3月の料金改定では5GB〜10GBを値下げし、25GB以上の容量は5GB増やした。この時点で15GB帯は改定しなかったが、5GBから中容量にシフトし始めている」と話す。「スマートフォンが高機能化し、サービスのリッチ化も進んでいる。お客さまの動きを見ながら、15GB帯の値下げをすることになった」と同氏。
IIJmioでは同時にキャンペーンも実施しており、15GBの音声SIMが6カ月間、月額700円で利用できる。1年を通じて通信サービスの契約が特に増えるこの春商戦で、15GBをてこ入れすることで5GBユーザーの中容量シフトを促し、ARPU(1回線あたりの売り上げ)を上げていくという狙いが見える。
2026年3月末にドコモが3Gサービスを終了することに伴い、IIJmioの一部回線で一部のiPhoneがLTEで通信しにくくなるという事象が発生している。この事象について、谷脇氏は改めて説明する。
「ドコモの3G停波によって、フルMVNOのデータeSIMを中心に、一部のSIMで影響が出ている。3月1日以降は、電源を入れた後にLTEに接続するまで1〜2分の時間がかかる。ただ、多くの人がご利用されている音声対応SIMでは影響がない」
個人向けにフルMVNOとして提供しているのはデータeSIMのみなので、ギガプランで音声SIMを利用しているユーザーには影響が出ない。
フルMVNOに関連して、オプテージがau回線を用いた音声対応のフルMVNO事業の参入を発表し、2027年度下期から提供する予定だ。
この件について谷脇氏は「フルMVNOのプレーヤーが増えることで、競争が促される。市場が活性化する点では、いいことだと思っている」との受け止めを話す。IIJのフルMVNOサービスはデータ通信専用で音声には対応していないが、音声の対応について谷脇氏は「フルMVNO事業は、さらにエンハンスすることは可能性として考えないといけない。今後も検討して実現に向けて頑張っていきたい」と述べた。
オプテージは、MVNOサービスの参入を支援するパッケージサービス「MVNO Operation Kit」を2026年度下期に提供予定としており、ミークモバイルも同様のサービス「MVNO as a Service」を提供している。このように、異業種のMVNO参入を支援する事業者は、IIJにとってはライバルになる。
谷脇氏は「MVNOがどんどん増えていくことで、モバイル市場全体が活性化する。JALモバイルのように、経済圏を持っていて、新たにモバイルをツールとして使うとなると、マーケット全体の活性化につながる。プレーヤーが増えていくことはいいことだと考えている」と歓迎の意向を示した。「IIJも他業種から引き合いの声を多数いただいているので、さらに力を入れていきたい」(同氏)
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