まだ「つながりにくい」声ある“ドコモ通信品質問題”の現在地 前田社長が明かす「道半ば」の詳細解説

» 2026年08月06日 17時30分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 NTTドコモが8月6日に開催した2026年度第1四半期決算説明会において、前田義晃社長は、SNS上で指摘され続けている通信品質問題に対し、現在の課題認識と今後の具体的なインフラ改善対策の進捗状況を公表した。

NTTドコモ 前田義晃 NTTドコモが8月6日に開催した2026年度第1四半期決算説明会(冒頭スライド)

 かつてつながりやすさで高い信頼を誇っていたドコモ(ahamoブランドを含む)の回線だが、2023年夏以降、都内をはじめとする主要都市部におけるトラフィック急増に伴う品質低下は大きな課題となっている。

 前田氏が明かした具体的な通信品質改善データと今後の対策を解説する。

SNS上に渦巻くドコモ・ahamoの通信品質に対する懸念のニュアンス

 ドコモは8月1日からahamoで月額2970円を維持したままデータ容量を40GBへ引き上げるキャンペーンを開始した。しかしSNS上では、以下のようにつながりやすさそのものの改善を求める声が目立つ。

 「どれだけ容量を増やされても、回線がつながらなければ意味がありません。通信速度が遅いためデータを消費することすら難しいです」

 「ドコモはまだつながりにくいです」

 「アンテナ表示は良好なのにWebページの読み込みがストップします」

 「通勤電車や地下鉄駅、テーマパークなどの混雑エリアで、他社回線に比べて接続しにくくなります。生活に密着したシーンでのストレスがあります」

前田社長が語る品質改善への姿勢と「道半ば」の認識

 ドコモがahamoの容量増量という施策を実施する一方で、SNS上には依然として通信品質に対する厳しい不満の声が上がっている。ユーザーとしては一体いつ頃になれば通信品質が向上するのか、また現状の課題はどこにあるのかという点が気になるところだ。

 これに対し、前田氏は[まだまだ通信品質は改善してきているものの、依然として道半ばだと思っている]と率直な現状認識を語り、特に人口が密集するエリアでの容量確保が最優先課題であるとの考えを明かした。

 さらに、ドコモ側がユーザーのリアルな不満をどのように捉えているかについて、前田氏は[ユーザーから特定のエリアで使いにくいという指摘があることは、SNS上の書き込みも含めて日々さまざまな形でトラッキングしている]と言及。その上で、[品質改善については、特定された課題のある地点に対し、いかにスピーディーに対策を施していけるか――もうそれに尽きると考えている。これからもこうした地道な取り組みを進めていきつつ、どういう進捗状況になっているかをユーザーへしっかりと開示し、お知らせできるように進めていきたい]と述べ、情報開示と迅速な個別エリアチューニングに全力を挙げる姿勢を示した。

 では、その品質改善は「今何合目まで来ているか」――そんな質問も出た。前田氏は、謙虚ながらも危機感をにじませた。

 「何合目かと言われれば、基地局増設だけでなく細かな最適化(チューニング)も含めて他社との差を詰める段階であり、まだ道半ばだ。SNSなどでユーザーの使いにくい場所を監視(トラッキング)しながら、いかにスピーディーに対策を施せるかに尽きる」

 また、基地局整備について部材不足の影響から、全国レベルでのスケジュールに若干の遅れが生じていることも明かした。

 「今年度は1万局規模の5G基地局増設を計画しているが、部材不足もあり、全国計画としては若干ビハインドしている。ただ、東京23区を含む人口集中地域には最優先で部材を回しており、そちらは計画を上回るペースで進めている」

 全国での建設ペース自体は影響を受けているものの、ユーザー不満が集中する都心混雑エリアに経営資源を優先投入し、体感品質の底上げを急いでいる状況だ。

基地局の急速な構築によるインフラ基盤の拡大

 ドコモはエリア拡充に向け基地局整備を進めている。2026年度第1四半期は前年度下期のペースを継続し、昨年度上期全体に相当する約2500局(5G:1500局、LTE:1000局)を3カ月で構築した。これにより5G累計基地局数は6万800局、LTE合算の累計基地局数は32万1900局に達し、インフラ基盤を拡大している。

NTTドコモ 基地局構築 ドコモはエリア拡充に向け基地局整備を進めている。基地局構築状況を示した

地下鉄駅の5G基地局整備も進行

 地下鉄駅における5G基地局整備も進行中だ。2026年7月31日時点で全国303駅、東京都内では206駅(70%超)に5G導入を完了した。

 さらに混雑エリアの対策として、消費電力50%削減と収容設備容量4倍を両立するエリクソン製最新装置RAN Processor 6672を導入。加えて、3.5GHz、3.7GHz、4.5GHzの3つの周波数帯をまとめて設備容量を約3倍にする280MHz幅Tri-Band Massive MIMOの運用も開始し、混雑時の接続性を強化している。

NTTドコモ 地下鉄 「地下鉄の駅における品質改善の取り組み」のスライド。全国303駅の導入完了、東京都内で206駅(70%超)に5G基地局の整備を終えたデータや地下鉄車両のイメージ図が示された
NTTドコモ エリクソン 「さらなる体感品質向上の取り組み」のスライド。エリクソン製「RAN Processor 6672」の導入(容量4倍・消費電力50%削減)や、設備容量を3倍に拡大する「Tri-Band Massive MIMO(280MHz幅)」の技術概念イラストが描かれている

今後の進捗に期待

 SNS上に日々投稿されるユーザーの本音をスピーディーな現地対策へと転換しつつ、こうしたインフラ構築や最新設備の導入による根本的なインフラ強化をやり遂げたとき、ドコモがかつての「つながりやすい安心の通信キャリア」へと完全に返り咲くことができるのか、今後の進捗に期待したいところだ。

おことわり

ネット上の意見は、文脈の変わらない範囲で体裁を整えています。


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