NTTドコモは5月8日に開催した「2025年度決算および2026年度業績予想説明会」の質疑応答の場で、前田義晃社長はネットで騒がれた「ahamo」の通信速度に言及した。
4月下旬、SNS上でahamoのユーザーが電車内でスマートフォンを使えず、諦めて本を読んでいるという趣旨の投稿が大きな反響を呼んだ。この話題は瞬く間に拡散し、多くのまとめサイトやリアルタイム検索などでも上位に浮上した。
NTTドコモは通信品質の改善を急いでいるが、都市部や混雑する鉄道路線においては、依然としてユーザーからの不満がくすぶっている実態が再び注目された形だ。
ネットでは、満員電車ではすぐに通信が途絶える、新宿などの都心部では高い確率で通信ができないといった、混雑する車両や特定のエリアでの不満が多く見受けられた。
また、地域による品質の差を指摘する意見もあった。地方都市では問題なく利用できるが、東京に出張すると通信の不安定さを痛感するといった声や、屋外を歩いていても定期的に接続が切断されるという厳しい指摘もあった。
こうした状況に対し、ユーザー間では5G通信が不安定なため、スマートフォンの設定で5Gを無効にし、「4Gに固定したほうが安定する」といった自衛策を共有する動きも活発に行われていた。
通信が不安定であるというネガティブな状況を逆手にとり、半ば強制的に発生するオフラインの時間を前向きに解釈しようとする声も多く上がった。例えば、通信ができないおかげで読書がはかどるようになったと、電車内での読書を楽しむユーザーの意見が見られた。
さらに、意図せずデジタルデトックスができている、スマートフォンへの依存を断ち切るためのライフハックとして有効かもしれないといった、皮肉を交えながらも現状を受け入れる声もあった。中には、「通信を諦めて本を読むか、何もせずに時間を過ごしている」との意見も注目され、通信インフラとしての役割を果たせていない現状に対する諦めの感情が垣間見えた。
こうした通信不良への不満は、単なるSNS上での愚痴にとどまらず、実際の行動へとつながっている。電波のつながりにくさを理由に、KDDIが提供する「povo」や楽天モバイルなど、他社の通信回線への乗り換えを検討する、あるいは既に実施したという声が出ていた。
実際に他社へ乗り換えたユーザーからは、povoに変更したところ、電車内でのインターネット接続が非常に快適になり、かつ料金面も抑えられるため、乗り換えて正解だったといった報告が上がり、周囲の関心を集めた。また、こうしたSNS上の不満の多さや、既存ユーザーからの忠告を目にしたことで、ahamoへの加入を検討していたが、契約を見送ることにしたと、新規契約を思いとどまる声も確認されている。
NTTドコモは、2026年5月に開催された決算説明会において、5G基地局の大規模な増設やプラチナバンドのフルLTE化といったネットワーク強靭(きょうじん)化策により、都市部や鉄道路線での通信品質が劇的に向上したと発表している。しかし、今回のSNS上での騒動は、その直前の4月下旬に起きたものであり、企業側が示す数値上の改善と、ユーザーが日常的に体感している品質との間に、依然として大きなギャップが存在していることを示唆している。
いうまでもないことだが、都市部の通勤電車という、現代人にとって必要不可欠な生活空間において通信が途絶えることは、ユーザーの満足度を著しく低下させる要因となる。ドコモは現状の数値改善に満足することなく、ユーザーのリアルな不満に耳を傾け、よりきめ細かな対策を講じることが急務だ。
ネットで話題になった「ahamoの通信速度だけが遅いと言われているが」との質問に対して、前田氏は「そんなことはない。お分かりの通り、どちらも一緒」と述べた。docomoとahamoの2ブランドで通信品質に差は出ないという。
【更新:2026年5月8日15時40分 ahamoのネットワーク品質について、「ahamoの通信速度だけが遅いと言われている」という趣旨になるよう、タイトルと本文を修正しました。】
ネット上の意見は、文脈の変わらない範囲で体裁を整えています。
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