元グループ会社が「ドコモの銀行」になった不満を吸収? SBI新生銀行が「SBIの銀行」として最大5.2万円のキャッシュバックキャンペーンを開催

» 2026年08月05日 14時30分 公開
[井上翔,ITmedia]

 SBI新生銀行は9月30日まで、「SBI新生銀行へのお引越しで最大52,000円プレゼントキャンペーン」の第1弾を開催している。このキャンペーンは、同社とSBI証券との口座連携サービス「SBIハイパー預金」を新規申し込みした個人を対象に(※1)、9月30日時点の預金残高(少なくとも30万円)に応じて2000円〜5万円を贈呈するというものだ。第2弾は10月31日まで開催される予定で最大2000円の還元があるようだが、詳細はまだ公表されていない。

(※1)2026年8月3日以前にSBIハイパー預金を開設したことがある場合は対象外

SBI新生銀行 SBI新生銀行が、以前はSBIグループにも属していたドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)からの乗り換えキャンペーンを開催する

キャンペーンの概要

 キャンペーンの第1弾は、9月30日までにSBIハイパー預金の口座を開設した上で、同日までに特設サイトからエントリーを行い、同日23時59分時点でSBIハイパー預金の残高が少なくとも30万円であれば対象となる。贈呈される金額は以下の通りで、12月中に入金される。

  • 残高30万円以上:2000円
  • 残高50万円以上:5000円
  • 残高100万円以上:1万円
  • 残高300万円以上:2万円
  • 残高1000万円以上:5万円

 なお、既にドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)のSBI証券との口座連携サービス「SBIハイブリッド預金」を利用している場合、同預金の休止(SBI証券口座との連携停止)が完了してから申し込む必要がある。営業日(平日)の15時までに休止手続きをした場合は翌営業日の26時頃から、営業日の15時以降または非営業日(休日)に手続きをした場合は翌々営業日の26時頃から申し込める。

キャッシュバック 受けられるプレゼント(キャッシュバック)の金額

元グループ会社の顧客を引き抜くキャンペーン?

 キャンペーン名に“お引越し”と含まれているのは、ドコモSMTBネット銀行が提供しているSBIハイブリッド預金からの移行を狙ったものだと思われる。

 SNSでは、ドコモSMTBネット銀行によるメインブランドの名称変更(NEOBANK→d NEOBANK→ドコモの銀行)と、それに伴うスマートフォンアプリのアイコン変更に不満を覚えるユーザーが散見される(参考記事その1/その2)。

 これを受けて、SBI新生銀行が“元SBIグループ会社”の顧客を奪いに来た――そうとも捉えられる。

SBI新生銀行とドコモSMTBネット銀行について

 SBI新生銀行は、1952年に長期信用銀行法に基づく「日本長期信用銀行(長銀)」として誕生した。同社は1998年10月に経営破綻し、預金保護法に基づく「特別公的管理銀行」として国有化された。

 同社は2000年3月に外資系の投資組合に売却され、同年6月に商号を「新生銀行」に改めた。新生銀行は2004年2月に株式の再上場を達成し、同年4月には銀行法に基づく「普通銀行」に転換した。

 2021年9月、SBIホールディングスが新生銀行に対して株式公開買い付け(TOB)を実施することを発表した。このTOBは経緯的に“敵対的”なもので、新生銀行は当初、買収防衛策を講じるなどした。しかし同年11月、新生銀行は買収防衛策を撤回し、同年12月にはTOBが成立した。これにより、新生銀行はSBIホールディングスの子会社となった。

 SBIグループの一員であることを明確にすべく、新生銀行は2023年1月に商号を現在のものに改めた。SBI新生銀行は2023年9月に株式の上場を廃止したが、国からの公的資金を完済したことを受けて2025年7月に株式を再々上場している。

SBI新生銀行 SBI新生銀行のルーツは、1952年に発足した長銀にある

 ドコモSMTBネット銀行は、1986年に住友信託銀行(現在の三井住友信託銀行)が設立した業務受託会社「住信オフィスサービス」が法人格的なルーツとなる。

 住信オフィスサービスは2006年4月、SBIホールディングスの出資を受けた上で商号を「SBI住信ネットバンク設立準備調査会社」に改めた。これは住友信託銀行とSBIホールディングスとの合弁によるネット銀行(実店舗を持たない銀行)の設立準備会社に“業態変更”したことに伴うものだ。

 銀行免許の取得にめどが立ったことを受けて、SBI住信ネットバンク設立準備調査会社は2007年9月に商号を「住信SBIネット銀行」に改めた。同社は長らく住友信託銀行(2012年4月から三井住友信託銀行)とSBIホールディングスの折半出資だったが、2023年3月に株式を上場した。上場後も、三井住友信託銀行とSBIホールディングスの出資比率は均等とされた。

 2025年5月、NTTドコモが住信SBIネット銀行の株式をTOBで取得して子会社化することを表明した。SBIホールディングスと三井住友信託銀行はこのTOBに応募しなかったが、SBIホールディングスはTOBの成立を前提にスクイーズアウト(少数株主の排除)後に住信SBIネット銀行による自己株式の取得に応じる(=SBIグループからの離脱を認める)一方で、三井住友信託銀行は引き続き株式を保有することになった。TOBは成立し、同年9月に住信SBIネット銀行の株式上場は廃止され、翌10月に住信SBIネット銀行がSBIホールディングスの保有する自社株式を買い取った。

 NTTドコモは2026年7月、金融事業を統括する中間持株会社「ドコモ・フィナンシャルグループ」を設立し、保有する住信SBIネット銀行の株式を同日付でドコモ・フィナンシャルグループに移管した。

 そして住信SBIネット銀行は2026年8月、商号を現在のドコモSMTB銀行に改めた。

ドコモSMTB銀行 住信SBIネット銀行は8月3日付で商号を「ドコモSMTB銀行」に変更した。なお「SMTB」は三井住友信託銀行の英語商号「Sumitomo Mitsui Trust Bank」の略称である

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