フォルダブル歴5年の筆者も驚いた「iPhone Duo」の完成度 ソフトウェアの力で再定義できるか:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2026年09月19日 11時29分 公開
[石野純也,ITmedia]

 Apple初のフォルダブルスマホとなる「iPhone Duo」を発表してから約1週間、筆者も実機に触れる機会を得た。開くと横に長い1:1.42のディスプレイを搭載しており、動画や写真などのコンテンツを画面いっぱいに広げられる。閉じたときは縦長になるが、アスペクト比は統一しており、操作性を高めるため、アプリの操作ボタンやピクトなどを右に寄せる工夫も施されている。これまでのフォルダブルスマホになかった、Apple流の演出も心憎い。

 筆者は、サムスン電子が2021年に「Galaxy Z Fold3 5G」を日本で発売して以降、5年間、フォルダブルスマホを毎年買い続けてきた。8月にはモトローラの「razr fold」を入手し、“フォルダブル歴”は間もなく6年目に突入する。発表会でも各社の製品を触っているため、人一倍フォルダブルスマホには慣れているつもりだが、それでもiPhone Duoには、今までにない使用感と驚きがあった。

iPhone Duo
iPhone Duo 開くと横長の7.6型、閉じるとパスポートサイズの5.4型になるiPhone Duo。10月23日の発売に先立ち、実機に触れることができた

「Nano-texture」が映り込みを排除、極上の開閉感を生む自社設計ヒンジ

 まず率直に言うと、開くと横長になって写真がピタッと表示されるディスプレイの比率は、そこまでの感動はなかった。これは、8月に発売されたサムスン電子の「Galaxy Z Fold8」をしばらく使っていたためだろう。比率こそやや異なるが、どちらも写真、電子書籍、動画といったコンテンツは表示させやすく、見やすい。Appleに先駆けて発売したことで、そのお株を奪った格好だ。

iPhone Duo 開くと横長の1:1.42になるため、4:3の写真もビシッと余白なく表示できる

 一方で、見やすさという点ではNano-texture仕上げを行っているiPhone Duoに軍配が上がる。写真を見ていただくと分かるように、映り込みが全くない。普段のスマホは、なるべく撮影に使うカメラが反射してしまわないよう、気を付けて角度を調整しながら撮っていたが、iPhone Duoではそんな工夫は一切必要なかった。

 もちろん、単に記事制作が楽になったと言いたいわけではなく、写真や動画などを見ている際に映り込みが大幅に減るため、映像に集中できる。ぱっと見で動画がきれいだと感じたのは、そのためだろう。このNano-texture仕上げは、発表にもあったようにポリマー製のカバー層に採用されているものだ。

iPhone Duo 折り目がなく、ディスプレイが真っ平らに見える

 層とうたうだけあって、ディスプレイと一体化しており、一般的なフォルダブルスマホのように、ガラスの上に保護フィルムを貼り付けたような見た目にはなっていない。さらにNano-texture仕上げで本当に全く折り目がないように見えた。Nano-textureはiPadなどで培ってきた技術だが、こうしたノウハウを応用できるのはAppleの強みといえる。

 iPhone Duoを開いてみて真っ先に感じたのが、開閉感の気持ちよさだ。これは、今まで使ってきたどのフォルダブルスマホよりも自然だ。開き始めは軽い力でスッと動いていき、途中から徐々に力がかかり、最後の方はパタンと滑らかに開ききる。文字にすると少々陳腐な印象も受けるが、単純なギアだけでは、ここまで自然な動きにはならない。

iPhone Duo 写真では表現しづらいが、ヒンジの開閉感が秀逸。ぜひ店頭でパカパカしてみてほしい

 100を超えるパーツを組み合わせて、マグネットで力のかかり方を調整したというこだわりは、こうした点に表れている。開閉がしやすく、かつその動きが気持ちいいというのは、Appleならでは。自社設計したヒンジへのこだわりは、使用感からも伝わってきた。この驚きは、むしろ今までフォルダブルスマホを使ってきた人の方が大きいはずだ。逆に初めて触る人は、これが“当たり前”と思ってしまうかもしれない。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月03日 更新
  1. ダイソーで1100円の「PD対応20Wモバイルバッテリー」を試す 手頃な価格でそこそこ高速にスマホを充電可能 (2026年10月31日)
  2. 「iPad mini(A20 Pro)」は何が進化した? 「iPhone Duo」とはどう違う? スペックや用途を比較する (2026年11月01日)
  3. KDDIの名機「INFOBAR」に新展開、11月18日に何かを発表――砂原哲氏が明かす (2026年11月01日)
  4. Google マップの新機能「マップに相談」は“知人に聞く”感覚で使える 「Pixel 11 Pro Fold」などフォルダブルとの相性も抜群 (2026年10月31日)
  5. iPhone Duo、最適化できていないアプリに不満の声続出――App Storeでの「強制」により年明けには一気に解消か (2026年11月01日)
  6. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年11月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年11月02日)
  7. 「iPhone Duo」は“我慢の連続” 歴代最重254g、Face IDなし……それでも満足できる人の条件が分かった (2026年10月30日)
  8. セブン‐イレブンで最大11%還元や“現金還元”も 新登場「nanacoクレジットカード」のお得度を検証する (2026年11月02日)
  9. 若者が選ぶ流行語「チャッピー構文」ってなんだ? 「結論から言うね」なAIの口癖、実は人間のせいかもしれない (2026年10月30日)
  10. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー