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PayPay、他社クレカを「完全排除」せず 使うには“利用券”が必要に

» 2026年07月01日 20時59分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 スマートフォン決済サービス「PayPay(ペイペイ)」における「PayPayカード(PayPayカードゴールドを含む)」以外の他社クレジットカード(以下、他社クレジットカード)の継続利用に関して、PayPayは2026年7月1日に新たな対応策を発表した。同アプリにおいて、他社クレジットカードを継続して利用するための方法として、「他社カード利用券」の提供を同日より開始した。PayPayは他社カード利用券の提供に伴い、他社クレジットカードを直接決済の裏側にひも付ける従来の決済方式を8月末に終了予定だ。

PayPay クレジットカード 2026年7月1日より提供開始された他社カード利用券の告知画面。PayPayは従来の決済方式を2026年8月末に終了する予定だとしている

 PayPayが他社クレジットカードの決済機能に関する方針を発表してから、今回の他社カード利用券の提供に至るまでには、複数回の方針変更があった。全体の経緯を時系列で整理すると以下のようになる。

他社クレジットカード利用(いわゆる他社クレカ排除)に関する経緯

  • 2023年5月1日:PayPayが2023年8月1日をもってPayPayカード以外の他社クレジットカード決済を廃止し、キャリア決済チャージに手数料を導入すると発表した。
  • 2023年6月20日:ソフトバンクの定時株主総会において、宮川潤一社長がユーザーからの声をふまえ、他社クレジットカードの取り扱い停止について延期も選択肢に検討が始まったと言及した。
  • 2023年6月22日:PayPayが他社クレジットカード決済の廃止時期を2025年1月に延期すると発表し、新規登録停止も当面の間見合わせると決定した。
  • 2024年12月5日:PayPayが他社クレジットカード決済を引き続き利用できるようにする方向で検討していると発表し、2025年夏以降の提供を目指してVisaおよびMastercardと協議を進めていると明らかにした。
  • 2026年7月1日:PayPayが他社クレジットカードを継続利用するための具体的な方法として、他社カード利用券の提供を開始した。あわせて、PayPayは従来の決済方式を2026年8月末に終了する予定だと発表した。

 2023年5月1日の発表において、PayPayは本施策の目的をPayPayカードが発行するPayPayカードやPayPayカードゴールド、そして同社が提供する「PayPayあと払い」(2023年8月1日から「PayPayクレジット」に名称変更)の利用促進と、不正利用の抑制だと説明した。

 しかし、PayPayカード以外のVisaおよびMastercardブランドのカードを利用しているユーザーがさまざまな意見を寄せた。そのため、PayPayは提供するサービスを徹底的に磨き込む期間を設けるべく、2023年6月22日にクレジットカード決済の廃止時期を2025年1月に延長した。PayPayはこの時点で、新規登録停止日も当面の間延長すると決定していた。

 その後、PayPayは2024年12月5日に方針を転換。他社クレジットカードを引き続き利用できるようにする方向で検討していると発表した。他社のスマートフォン決済サービスが他社クレジットカードに広く対応しており、このまま排除の方向で進めると顧客離れにつながると懸念したのだろう。PayPayは他社サービスの状況もふまえ、他社クレジットカードによる決済を継続する方向へ舵を切った。

 しかし、PayPayが負担する他社クレジットカード決済に伴う手数料が、PayPayの決済システム利用料を上回ってしまったのだ。新しい他社クレジットカードの利用方法を実現するに当たり、PayPayはVisaおよびMastercardと手数料に関する協議を進めた。PayPayはその協議結果次第で、他社クレジットカードの利用者に一定の利用料を負担してもらう可能性や、利用状況次第で利用料を減免する方法も検討していると2024年12月5日の時点で説明していた。

2026年7月1日の発表内容:他社カード利用券の提供を開始

 そして2026年7月1日、PayPayは他社クレジットカード継続利用の具体的な方法として他社カード利用券の提供を開始。ユーザーはPayPayアプリ内で他社クレジットカードを使って他社カード利用券を購入し、PayPay加盟店での支払いに利用できる。ユーザーが利用できる他社クレジットカードの国際ブランドは引き続きVisaおよびMastercardのみだ。ユーザーは他社カード利用券を1万円から1万円単位で、最大25万円まで購入できる。

 また、ユーザーが他社クレジットカードの登録および他社カード利用券の購入を行う際には、本人認証サービス(3Dセキュア)が必要だ。PayPayは7月1日以降、約1カ月ほどかけて順次利用できるユーザーを拡大する予定だとしており、ユーザーに対して最新バージョンのアプリを利用するよう呼びかけている。

PayPay他社カード利用券 PayPayアプリ内で他社カード利用券を購入する画面の遷移イメージ。ユーザーは他社クレジットカードを使って他社カード利用券を1万円から最大25万円まで購入できる

 PayPayはこの他社カード利用券の提供に伴い、従来の決済方式を2026年8月末に提供終了する予定だ。ただし、PayPayは三井住友カードが発行する個人向けクレジットカード(ANAカード、Amazon Mastercard等の提携カードを含む)について例外措置を設けた。ユーザーは三井住友カードとの連携施策により、これらの対象カードについて引き続き従来の決済方式を利用できる。

PayPay 三井住友カード 各種クレジットカードにおける支払方法や利用特典などの比較表。三井住友カードは連携施策により対象カードで引き続き従来の決済方式を利用可能となっている

 一方で、PayPayは自社サービスにおける優遇措置を維持している。PayPayカードは、決済画面が青色になるPayPayクレジットに登録できる唯一のクレジットカードだ。ユーザーは「PayPay残高」(赤画面)との切り替えを簡単にできるほか、PayPayアプリはカードの利用履歴を即時に通知する。また、PayPayは定常特典「PayPayステップ」において「PayPayポイント」を最大1.5%付与する。ただし、PayPayステップでのポイント付与には、ユーザーがPayPayアプリ上で本人確認(eKYC)を完了させる必要がある。ユーザーはPayPayカードをPayPayが開催する各種キャンペーンの対象決済としても利用できる。

 さらに、PayPayは6月19日から「超PayPay祭」の一環として「PayPayスクラッチくじ」を開催している。このキャンペーンにおいて、PayPayは決済方法によって異なる当選確率を設定している。PayPayはPayPay残高での決済において4回に1回の確率で1等から3等までが当たるくじを提供し、PayPayクレジットやPayPayカードの決済においては2回に1回の確率で当たるくじを提供する。PayPayは引き続き自社クレジットカードによる決済を優遇している。

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