メルカリが「新リユースECサイト」を立ち上げたワケ 品質保証で中古スマホの不安解消を目指す(1/2 ページ)

» 2026年07月14日 22時00分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 7月14日、メルカリは新たなリユースサービスである「m department」の提供を開始した。取り扱う商品は全て専門事業者が検査や修理、クリーニング、真贋鑑定などを実施した整備済み製品および真贋鑑定済みブランド品だ。専門事業者による品質保証や充実した保証と返品体制のもとで、高品質な商品を手頃な価格で提供することを最大の特徴としている。利用者はWebサイトからアクセスできる。

メルカリ mdepartment m departmentのトップページ画面。整備済みデバイスや真贋鑑定済みブランドなどのリユース品をオンラインで販売している
メルカリ中古スマホ 商品の販売ページ。コンディションなどが明記され安心して手頃な価格で中古品を購入できるのが特徴だ
メルカリ 品質保証 全てのアイテムが専門事業者によって整備・クリーニング対応されておりプロの品質保証が付いている

サービスを立ち上げた背景:物価高でリユース品への関心が高まるが、高額商品購入に障壁あり

 同日の記者発表会では、メルカリ執行役員CPO Marketplaceの篠原孝明氏が登壇し、サービスを立ち上げた背景を説明した。

メルカリ 篠原孝明 メルカリ執行役員CPO Marketplaceの篠原孝明氏。新サービスを立ち上げた背景や特徴について説明した

 篠原氏は、昨今の物価高でスマートフォンやブランド品を中心としたリユース市場が急拡大している現状に言及した。自社調査では、「物価高をきっかけにリユース品の購入検討頻度が増えた」と回答した人が、約5人に1人に上った。しかし、直近1〜2年間でリユース品を全く購入しない層が約5割を占め、購入に至らない実態も浮き彫りになった。

メルカリ リユース品 直近1〜2年間でリユース品を全く購入しない層が約5割を占めており商品品質への不安が購入をためらわせる原因となっている

 篠原氏は、高額商品になるほど品質への不安が購入をためらわせる最大の障壁になっていると分析した。アンケートでは、高額ブランドのファッションアイテムやスマートフォンの購入について約7割が不安を感じると回答している。

 要因として、ブランド品では偽物やコピー品への懸念が73.3%で最多となり、スマートフォンではバッテリー劣化をはじめとした故障リスクが同じく73.3%で最大の不安要因であった。

メルカリ 高額リユース品 高額ブランド品は偽物やコピー品への懸念が最も高くスマートフォンなどは動作不良や故障のリスクが最大の不安要因とされている

 篠原氏は、こうした品質への不安を解消するため、プロが品質を保証するリユース品が新品と中古に続く第3の市場として急速に拡大していると述べた。本サービスはこの第3の市場のニーズに応えるために誕生した。

メルカリ 品質保証 アンケートによると8割以上の人が高額リユース品を購入する際に品質保証があることを重要視していることが明らかになった

 サービスの具体的な特徴として、篠原氏は3つのポイントを挙げた。

 1つ目は全ての商品にプロの品質保証がついていることだ。スマートフォンの整備済み製品では、専門事業者が全機能の動作確認に加え、バッテリー最大容量80%以上を保証し、クリーニングや個人データの完全消去を実施している。真贋鑑定済みブランド品では、鑑定士がロゴや縫製などを複数の観点から丁寧に確認し、基準内と判断された商品のみを扱う。

 2つ目の特徴は充実した保証と返品体制だ。整備済み製品のスマートフォンなどは発送後30日以内の返品が可能である。さらに発送後180日間の動作保証が付帯し、正常に動作しなくなった場合は修理や交換で対応する。ブランド品については発送後10日以内の返品を受け付けている。

 3つ目の特徴は、高品質な商品をお得な価格で購入できることだ。篠原氏は、プロの品質保証がついたアイテムを新品よりも手頃な価格で手に入れられる点が大きな魅力であると強調した。

メルカリ 返品体制 整備済み製品や真贋鑑定済みブランド品にはそれぞれ一定期間の返品対応や動作保証が用意されており購入後も安心して利用できる

 これらの特徴を実現するため、本サービスではメルカリと出店パートナーの間で明確な役割分担がなされている。メルカリは品質基準やルールの策定、管理、出店審査を通じてサービス全体の品質を担保する。一方、出店パートナーは、これまで培ってきた専門技術をもとに、品質保証の実務や、保証および返品への対応を担う。

メルカリ 出店パートナー メルカリが品質基準やルールを策定し出店パートナーが検査やクリーニングなどの実務や返品対応を担う明確な役割分担がされている

ソフマップも参画して安心感に寄与 厳格なプロセスを経て出品

 本サービスには開始時点で厳正な審査を通過した88社の専門事業者が参画している。

メルカリ 出店事業者 サービス開始時点では厳正な審査を通過した88社の専門事業者が参画し、整備済み製品や真贋鑑定済みブランド品を出品している

 スマートフォンやPCなどの整備済み製品は、ショップがm departmentの整備基準に沿って検査、修理、クリーニングを行っており、整備基準は「動作確認」「バッテリー」「クリーニング」「データ消去」「ロック解除」「ネットワーク利用制限」の6項目に及ぶ(関連リンク)。例えばバッテリーでは、スマートフォンとタブレットは80%以上の容量を保証する。スマートフォンのネットワーク利用制限では○か△を記載し、×(赤ロム)となった場合は永久保証の対象になる。

 また、商品の状態はA(未使用に近い)、B(目立った傷や汚れなし)、C(やや傷や汚れあり)、D(傷や汚れあり)の4段階で表示する。

 上記の整備基準に加え、既に中古事業を展開している企業は、自社で厳格な検証も行っている。

 発表会では出店パートナーを代表し、ソフマップ取締役執行役員サーキュラーエコノミー事業部本部長リユース事業部長の上村匡希氏が登壇した。

ソフマップ 上村匡希 ソフマップ取締役執行役員の上村匡希氏。巨大な商品化センターで徹底した再商品化プロセスを行っている自社の強みをアピールした

 上村氏は自社の強みとして、買い取ったデジタル機器を巨大な商品化センターで一元管理し、専門スタッフが徹底した再商品化プロセスを行っていることを挙げた。

ソフマップ リユース ビックカメラグループのソフマップは買い取ったデジタル機器を一元管理し専門スタッフによる再商品化で循環型モデルを構築している
ソフマップ 品質チェック 全国から集約したデジタル機器はプロの専門スタッフが最大68工程の品質チェックを行い、高品質な商品へと仕上げている

 具体的には、「Windows PC」で最大68工程の品質チェックを実施している。「iPhone」は22工程の品質チェックや目視確認を行い、ランク付けを実施している。さらに、買い取った商品は完全なデータ消去を行い、希望者には有料でデータ消去証明書を発行して個人情報が漏れない品質を担保している。

ソフマップ iPhone iPhoneのリファービッシュでは確実なデータ消去や22工程の機能チェックに加え、360度撮影による実物写真の掲載を行う

 上村氏は、厳格なプロセスを経て商品化されたものを360度撮影し、品質がよく分かる写真を掲載していると説明した。同社ではランクAからランクDの商品ランクを設け、本サービスには審査を通ったランクC以上の優良な商品のみを出品している。同氏は、専門スタッフが再チェックを行うことで安心を提供し、リファービッシュ品がサードプレイスとして地位を築いていくと語った。

ソフマップ 商品ランク ソフマップでは商品の状態に応じて4段階のランクを設けており本サービスには審査を通過したランクC以上の優良な商品のみを出品する

 中古スマートフォン販売サービス「にこスマ」を運営する伊藤忠グループのBelongも、m departmentへの出店を発表した。

 同社はニュースリリースで、スマートフォンの価格高騰などを背景に中古需要が拡大する一方、バッテリー劣化や不具合に対する消費者の不安が大きい課題を指摘。この課題を解決するため、同社では25項目以上の厳しい機能検査体制を敷き、バッテリー容量の明確な開示や最大1年間となる充実した保証期間を提供しているという。

 付加価値の高い製品を誰もが安心して購入できる選択肢にしていくためには信頼できる売り場の拡大が不可欠であり、厳格な品質基準と充実したサポートを掲げる本サービスへの出店が自社の思いを実現する最適な選択であると考えたと背景を説明した。

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