「メルカリ」は、今や多くの人が利用する国内最大級のフリマサービスだ。ユーザーは専用のスマートフォンアプリやWebサイトを通して、手軽に商品の売買ができる。その出品・購入の対象は多岐にわたるが、サービスを閲覧するために使っているそのスマートフォン本体が、高額商品として実際に取引されている。
メルカリに出品されているスマートフォンは、機種やストレージ容量、新品か中古かといった状態によって価格が異なる。「新品スマホは高額で手が出しにくい……」と感じている人ほど、価格の安い中古スマートフォンに魅力を感じるはずだ。しかし、「ポチッと」購入ボタンを選択する前に、冷静になって立ち止まり考えるべきことはいくつもある。特にiPhoneなどの高級スマートフォンを購入する際には、大きなリスクが伴うのだ。
フリマアプリでは、商品写真が実物でない場合がある。このような出品は避けるべきだ。たとえ実物らしき写真が掲載されていても、それが本当に本物だと断定することはできないため、出品者の情報や過去の評価を総合的に判断することが不可欠となる。
特に気を付けたいのは、ネットワーク利用制限やアクティベーションロック(iPhoneやiPadを紛失したり盗まれたりしても、第三者による不正利用を防ぐためにAppleが設けた仕様)の有無である。これらが解除されていない端末は、購入しても利用できない。
そもそもメルカリでは、以下の通り、購入者が利用できない可能性のある携帯端末やSIMカードの出品を禁止している。
「購入者が利用できない可能性のある端末やSIMカードについては、トラブルの原因となるだけでなく、犯罪や違法行為に使用されるおそれもあるため、出品を禁止しています」
違反になる出品物として、以下の項目が挙げられている。
メルカリでは、アクティベーションロックがかかったスマートフォンの出品を禁止している。これはiPhoneやiPadを紛失・盗難時の不正利用を防ぐための仕組みで、解除するにはApple IDやパスワードの入力など複数の工程を踏む必要がある(出典:iPhoneとiPadのアクティベーションロック)事務局は禁止出品物に該当すると合理的な理由に基づき判断した場合は、取引キャンセルや商品削除、利用制限などの措置を取る場合がある、とも明記されている。しかし、本当に問題のない端末かどうかを商品概要だけで判断するのは難しい。
意外なことに、「ジャンク品」(部品取り用や故障しているなどの理由で動作保証のない品)は出品禁止物に該当しない。この規定の隙を突き、あたかも新品であるかのように見せかけて、実際は問題のある「ジャンク品」を出品しようとするケースが散見される。もちろん、違反と見なされれば削除されるが、出品時や購入時にはその区別がつきにくい。
また、商品の状態が極めて不透明な記載や、明らかに説明不足といえる商品概要も多いが、これらが野放しのままになっているのも実情だ。
例えば、以下のような簡易な出品概要は、購入元であるキャリアや入手経路が不透明であり、不安材料となる。
仮に出品者が「とてもきれいな状態です」などとうたい、スマートフォンを高額で出品していたとしても、丁寧に梱包して発送する保証はない。フリマアプリは個人間の売買のため、梱包に関する意識は出品者によって大きく異るのだ。
実際にSNSには、高額な電子機器の梱包に関する以下のような不安の声が上がっている。
高額で精密なスマートフォンが、適切な緩衝材もなく無造作に送付されることは、配送中の破損リスクを直接的に高める。たとえ商品が本物で機能不良がなかったとしても、梱包の不備1つで台無しになる可能性があるのだ。
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