「メルカリで稼げなくなる?」の声広がる 事業者は「個人アカウント」利用不可に きょうから規約改定

» 2025年10月22日 08時25分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]
メルカリ mercari 規約改定 改悪 フリマ 儲からない 利益 収益化 フリマアプリの「メルカリ」

 フリマアプリの「メルカリ」は10月22日から利用規約を改定する。事業者による個人アカウントの利用を禁止する。これにより、これまで個人アカウントを利用して継続的に商品を販売してきた、いわゆる「せどり」や「転売」、ハンドメイド作品の販売などを行う人は、事業者向けECプラットフォーム「メルカリShops」への移行を迫られることになる。

 規約改定はメルカリが9月21日に案内していた。一部の利用者から「もうメルカリでは稼げなくなるのではないか」といった不安の声が上がっている。どこからが「事業者」と見なされるのか。この点についてメルカリは公式見解をサイト上では示していない。

 消費者庁が公表している「インターネット・オークションにおける『販売業者』に係るガイドライン」によれば、1カ月間に200点以上、または1度に100点以上の商品を出品する場合、過去1カ月間の取引総額が100万円以上に上る場合などが該当する。

メルカリ mercari 規約改定 改悪 フリマ 儲からない 利益 収益化 規約改定の内容。どこからが「事業者」と見なされるのかは明記されていない

代替策に「メルカリShops」、これまでと変わらないことは?

 メルカリは、規約改定で影響を受ける事業者に対し、同社が運営する事業者向けECプラットフォームであるメルカリShopsへの移行を強く推奨している。メルカリShopsに出店すれば、販売商品はこれまで通り、月間2300万人以上が利用するメルカリの画面上や検索結果に表示される。事業者は新たな販路を1から開拓する必要がなく、慣れ親しんだ巨大なメルカリ市場の集客力をそのまま活用し続けることが可能となる。

 購入者にとっても、商品の購入体験に大きな変化はない。個人が出品した商品も、事業者がメルカリShopsで販売する商品も、同じアプリ内でシームレスに閲覧・購入できる。支払い方法もクレジットカードやメルカリのポイント、売上金など、従来のものがそのまま利用可能だ。

 事業者にとって移行の障壁となりうる手数料体系についても変更はない。商品が売れた際に発生する販売手数料は売上金の10%、売上金を銀行口座に振り込む際の振込手数料は1回あたり200円と、いずれもフリマアプリの個人利用時と同率に設定されている。急なコスト増加の心配がない点は、特に個人事業主や中小規模の法人にとって、安心して移行を検討できる重要な要素といえるだろう。

事業の効率化と拡大を後押し メルカリShops独自のメリット

 メルカリは、メルカリShopsへの移行が単なる販売場所の変更にとどまらないとしている。むしろ、本格的なEC事業の展開を目指す事業者にとっては、事業の効率化と拡大を後押しする大きなチャンスとなりうるそうだ。「メルカリは個人間取引を前提としているため、在庫管理や複数人での運営といった事業向け機能が十分ではなかった。一方、メルカリShopsは事業者に特化したプラットフォームであり、ビジネス運営に欠かせない機能が充実しているのが特徴」だという。

 その1つが在庫管理機能だ。フリマアプリでは1商品につき1出品が原則で、色違いやサイズ違いといったバリエーションをまとめて管理することが困難だった。しかしメルカリShopsでは、1つの商品ページに複数の「種類」とそれぞれの「在庫数」を設定できる。これにより、例えばアパレル商品であれば、S・M・Lの各サイズやカラーバリエーションを一覧で表示でき、購入者の利便性を高めると同時に、出品者の在庫管理の手間を大幅に削減する。

 さらに、独自の配送サービス「クールメルカリ便」の提供もポイント。これは冷蔵・冷凍品に対応した配送方法で、全国一律の割安な料金設定が特徴となっている。これまで配送料がネックとなりがちだった生鮮食品やスイーツなどを取り扱う事業者にとっては、コストを抑えて全国の顧客に商品を届けられるのがメリットとなる。

 事業規模が拡大し、複数のECモールや自社サイトを運営する事業者にとって、業務効率化は重要課題だ。メルカリShopsは、主要なEC一元管理システムとのAPI連携に対応しており、在庫情報や受注情報を他チャネルと自動で同期させることができる。これにより、在庫の二重計上といったミスを防ぎ、出荷作業を効率化することが可能になる。また、複数人で店舗を運営するための「スタッフアカウント機能」も備わっており、従業員ごとに権限を割り当てて、受注管理や商品登録といった業務を分担できる。

規約改定の意図は?

 メルカリは、「メルカリが個人間取引の場としての健全性を守るため、事業活動の場をメルカリShopsへ完全に移行いただく方針となりました」と、規約改定の意図を明かした上で、「これはメルカリ市場からの撤退を意味するものではなく、むしろメルカリの市場をそのまま活用しながら、在庫管理・複数人運営・API連携など事業者向けの機能を備えた専用プラットフォームを利用できる新たなビジネスチャンスです」とアピールしている。

 メルカリは、「この機会にメルカリShopsへの登録と移行を速やかに行い、より効率的で拡張性のあるEC事業を展開されることをお願いいたします」と呼びかけており、事業者には変化への迅速な対応と、新たなビジネスチャンスの活用が求められている。

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