メルカリでiPhoneが高値で取引されているワケ 出品のハードルを下げる取り組み始動(1/2 ページ)

» 2023年09月14日 20時04分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 メルカリは9月15日から、スマートフォンのデータ削除を代行する「あんしんデータ消去」サービスの実質無料キャンペーンを開催する。

 あわせて、メルカリは9月14日から9月30日までの期間限定で、「スマホ出品サポートプログラム」を「メルカリステーション」新宿マルイ店で開催する。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 「メルカリステーション」新宿マルイ店
mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 期間限定開催の「スマホ出品サポートプログラム」

専門業者へスマホのデータ消去を依頼 あんしんデータ消去の無料キャンペーン

 あんしんデータ消去はメルカリでユーザーがスマホを売却する際、専門業者へスマホのデータ消去を依頼できるサービスだ。消去可能なデータはスマホ本体内の写真や動画、PDFなどの書類、「FeliCaチップ(ICカード)」に残った利用履歴などとなる。メルカリが伊藤忠グループのBelongが提供する、「あんしんデータ消去」サービスと連携して提供する。

 出品者は商品登録画面で「家電・スマホ・カメラ」→「スマートフォン/携帯電話」→「スマートフォン本体」と選択して「あんしんデータ消去」のオプションを申し込む。出品者が購入された端末を「らくらくメルカリ便」で倉庫へ発送すると、Belongが端末のデータ消去を実施。その後、倉庫から購入者へ匿名で端末が発送される。

 利用料金は1台につき1400円(税込み)で、出品者の売上金から自動的に差し引かれる。倉庫への配送料は出品者負担で、利用料金に含まれる。倉庫から購入者への配送はBelong所定の配送方法で行うため、配送方法の指定はできない。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 あんしんデータ消去のイメージ

 あんしんデータ消去の実質無料キャンペーンは15日から10月17日23時59分までにあんしんデータ消去を利用してスマホを出品し、9月15日から11月5日23時59分までに取引を終えると、1400円分のメルカリポイントを付与する。なお、1人につき1回の取引、対象端末の価格が1万円以上であることが条件となる。

 メルカリはBelongのWeb完結型買い取りサービス「スマホかんたん買取」とも連携を始めた。ユーザーはWebサイトで質問に回答して買い取り価格の見積もりを確認し、本人確認書類を提出して端末を発送すると、Belongが端末の状態を確認して結果をメールで連絡。査定結果に問題がなければ、指定の銀行口座へ現金で支払われる。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 スマホかんたん買取のイメージ

スマホ出品サポートプログラム

 メルカリステーション新宿マルイ店で開催されるスマホ出品サポートプログラムは、スマホの出品に関する知識をメルカリ教室で身に付けることが可能な他、スマホの出品について専門スタッフに相談できるプログラムだ。

 同店では7月1日から31日までの期間中に最も取引数の多かったスマホが展示される。スマホとともに参考として平均取引価格が記載された札も設置されている。メルカリによると、iPhone SEやiPhone 8などの人気機種は店頭での下取りと比べて2倍近く高額で取引されているという。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 赤色の札とともに置かれているのがiPhone
mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 青色の札とともに置かれているのがAndroid端末

 他にもスマホ出品前に相場や確認事項をチェックできる「出品チェックリスト・価格診断チェックシート」「メルカリ教室冊子」、それに梱包資材の「宅急便コンパクト」「クッション封筒」「緩衝材(5枚セット)」を含む出品キットが無料で配布される。

メルカリのiPhoneが通常より1.5〜2倍近く高値で取引されている

 なぜメルカリがあんしんデータ消去のキャンペーンや、スマホ出品サポートプログラムを実施するに至ったのか。その背景をメルカリでマーケティングディレクターを担当する千葉久義氏が語った。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 メルカリでマーケティングディレクターを担当する千葉久義氏

 フリマアプリとして2013年にスタートしたメルカリは、2023年でサービス開始から10周年となる。累計出品数は30億を超え、月間利用者数は2200万人以上もいるという。同氏は「自分の持ち物が売れると見越した上で、買い物をする人がZ世代の約半数を占めている」とする調査データを用いて、メルカリがより身近なツールへと成長したことを説明した。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 Z世代の2人に1人が持ち物を売る(あるいは売れると認識している)ことを前提に買い物をしているという

 多くの商品が取引されるメルカリが今回、焦点を当てたのはスマホだ。

 市場環境を見ると、急激な円安や物価高によってスマホの価格が高騰し、消費者が新品のスマホを買いづらい状況が続く。新品のスマホの出荷台数は頭打ちとなってる。その一方で、中古スマホ市場は2022年に過去最高の販売台数を記録し、今後も13〜14%の市場成長が予測されている。高い価格で高機能なスマホを買い求めずに、型落ちした中古のスマホを買う方が出費を抑えられる、と考えている人もいるようだ。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 頭打ちとなる新品スマホとは裏腹に需要拡大を続けるのが中古スマホ市場だ

 話題のスマホと呼称されることの多いiPhoneは毎年9月に発表され、10月にはPixelが発表されることから、メルカリでは9月から10月にかけてスマホの取引が多くなるという。それに伴い「メルカリにおける中古スマホの流通額も毎年秋に伸びる」(同氏)傾向にある。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 新機種登場の秋に最も取引されるのが中古スマホだという

 さらに、「メルカリなら高額で売れる」(同氏)点も、中古スマホがメルカリで取引される一因とみられている。メルカリではiPhoneが一般的な下取り額と比べ、1.5から2倍近く高い価格で取引されているという。同氏は「メルカリではiPhone 13が一般的な下取り額に比べ、約3.2万円高い価格で取引されている」と一例を挙げた。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 iPhoneは型落ちの機種でも高額で取引されやすいという

 この理由について同氏は「メルカリの特徴である個人間取引の仕組みが良い意味で消費者にとって作用している」と分析する他、「早く売れる」点と「ジャンク品でも売れる」点を挙げた。「出品から3日以内に売れるケースが約64%、取引されているスマホの内、38%が端末の状態が悪くても売れている。このうち、11%はジャンク扱いとなり、それでも売却できる例がある」と同氏。いわば何でも売れるのがメルカリの良さであると主張する。

mercari メルカリ 中古スマホ 個人間取引 メルカリで取引を行うメリット

 売れ筋はどのような機種か気になるところだが、同氏いわく指紋認証に対応するiPhone SE(第2、第3世代)や、カメラ性能が高いPixelが売れる傾向にあり、半年前やそれ以前に登場した機種にもかかわらず、依然として人気を誇っているようだ。

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