中古スマホに注目が集まる一方で、メルカリでは出品に抵抗を持つ人もいるという。
そのハードルとは「出品の難しさ」や「個人情報につながるデータの削除」を指す。メルカリに寄せられた声の中には「スマホをメルカリで出品したくてもそのやり方が分からない」「個人情報につながるスマホ本体内のデータをどのように削除すればいいのか分からない」など、スマホ出品に抵抗を持つ人の意見が如実に現れている。
メルカリがメルカリがあんしんデータ消去のキャンペーンや、スマホ出品サポートプログラムを実施する狙いは、中古スマホ出品のハードルを少しでも下げる点にある。
特にスマホ出品サポートプログラムは「1人で出品作業をこなせない人」に向けて行われる取り組みでもあり、利用者が中古スマホの出品について対面でサポートを受けられるようにしたという。
サポートは「スマホ出品相談窓口」にて1対1で受けられる他、「かんたん&あんしんスマホ出品講座」ではスマホをメルカリに出品する際の注意事項、実際に出品する際の手順などを学べる。本講座ではイラストや要点が分かりやすく記載されたテキストとともに講師が口頭で説明。こうした取り組みがこうを奏でれば、ユーザーが1人で出品作業を完結できるようになるという。
他にも、IMEIと電池残量の記入項目を新たに追加するなど、スマホかんたん買取のUI/UXの改善を図っているという。これにより「円滑な出品へつながる」(千葉氏)としている。
メルカリがBelongと組んだのも、データ削除のハードルを下げるためだ。Belongは中古スマホのデータ削除や検品を行うための国内最大規模のオペレーションセンターを神奈川県座間市に持つ。Belongの井上大輔社長は「中古スマホの買い取りからデータ削除、検品に至るまで、ワンストップで実施できるのがわれわれの強み」とした上で、「Belongがこれまでに培ってきたノウハウやキャパシティーを生かしたい」とコメントした。
Belongがメルカリとタッグを組む背景について、Belong広報は「中古市場の顕著な伸長がある一方で、使われずに宅内に保管されている携帯電話が年々増加している」ことを挙げる。
2020年の時点で、宅内に眠る中古スマホの推定台数は約1億6480万台で、その推定価値は約3兆円弱と予測されていた。しかし、2022年には中古スマホの推定台数が約3億555万台に増加し、その推定価値は2倍以上の6.5兆円にまで増加したとされている。
“埋蔵スマホ”が増える一方で、「個人情報の流出を懸念し、売却に抵抗を持つ人が多い」との総務省による調査データもある。
こうした背景の他、「Belongが現状、法人または消費者からの直接的な買取しか実施していない」ことから、Belongは「全く異なるターゲット層の個人間EC取引を牽引するメルカリと協力する」(Belong広報)ことで、中古スマホ市場の活性化につなげたい狙いだ。
【更新:9月16日1時30分】Belong広報のコメントを追記しました
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