新「iPad Air」実機レポート 先代のiPad Proに近づき、普及価格帯の“ハイエンドiPad”に(1/2 ページ)

» 2024年05月08日 20時10分 公開
[石野純也ITmedia]

 Appleは、5月7日(現地時間)に製品発表会を開催。英ロンドンで「iPad Air」と「iPad Pro」の実機を公開した。ディスプレイに初めて有機ELを採用し、プロセッサもM4に刷新したiPad Proに注目が集まっている一方で、iPad Airも新たに13型版が加わり、ラインアップの幅を広げている。ここでは、そのiPad Airの特徴を、写真とともに見ていきたい。

iPad Air 13型版が加わり、2サイズから選べるようになったiPad Air

画面サイズが大きくなって先代のiPad Proに近い存在に ただしFace IDは非対応

 機能的に1つ前の世代のiPad Proを踏襲しつつ、コストを抑えて普及を目指すモデルというのが、iPad Airの位置付けだ。11型版も正確には10.86型で、10.9型と表記していた第5世代のiPad Airとほぼサイズは同じ。高さ、幅、厚みなどのスペックも変わっていない。

iPad Air 11型版は、10.9型と表記していた第5世代のiPad Airと外寸が同じ。持ったときの印象もあまり変わらなかった
iPad Air
iPad Air
iPad Air
iPad Air 厚さも同じだ

 上記のようなコンセプトのため、プロセッサには第4世代の11型iPad Proなどと同じ「M2」を採用しているが、違いもある。1つは、Face IDに非対応なこと。代わりに、トップボタンに指紋センサーを組み込んだTouch IDに対応している。この点は、前世代のiPad Airと同じだ。キーボードで利用する際に、指をボタンに当てなければならない点が変わっていないのは、少々残念なポイントだった。

iPad Air トップボタンには、指紋センサーが組み込まれている

 Face IDに非対応ながら、インカメラはベゼルの長辺側に組み込まれている。前モデルの第5世代iPad Airは、縦位置での利用に向いた短辺側に搭載されていたので、この点はリニューアルされた格好だ。仕様的な差分はあるが、位置に関しては、別稿で紹介したiPad Proと同じ。キーボードを装着するなどして、横位置で使う際に便利になっている。

iPad Air カメラは長辺側のベゼルに搭載され、横位置で使いやすくなった

 当たり前の話だが、13型版は11型版より表示領域が広くなっているため、同じコンテンツを表示した際に見える部分が増える。拡大表示をすれば、文字や映像を大きくすることが可能。こうしたメリットは、これまでiPad Proの専売特許だったが、より価格がこなれたiPad Airに降りてきた点が大きな特徴といえる。

iPad Air 13型版は、表示領域が広がっている。ステージマネージャを利用したいときなどには、こちらを選択するといいだろう

Apple PencilやMagic Keyboardにも違いあり

 形状や機能の一部が前世代のiPad Proに近いため、誤解を招きそうだが、対応しているApple Pencilに違いがある点には注意が必要になる。第5世代までのiPad Airは非接触充電機能を備えた第2世代のApple Pencilと、ケーブルで充電するApple Pencil(USB-C)の2つに対応していた。これに対し、M2搭載のiPad Airは、新たに発表されたApple Pencil Proに対応している一方で、第2世代のApple Pencilには非対応になっている。

 逆に、Apple Pencil Proで利用可能なスクイーズでメニューを表示させたり、バレルロール機能でペンを回転させたりといった操作はきちんと検知する。Apple Pencil Proの新たな機能を利用したい人にはうれしい知らせといえるが、前世代からの買い替えだと、この部分がコストアップにつながってしまうことにもなり、一長一短といえそうだ。

iPad Air 本体上部にマグネットで装着しているのは、Apple Pencil Pro。第2世代のApple Pencilは非対応だ

 一方で、Magic Keyboardは前世代のものに搭載しており、M4搭載のiPad Pro用に設計されたものは利用ができない。最新仕様を取り入れつつも、一部は旧世代の資産を流用していることがうかがえる。

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