人混み「コミケ108」に挑む3キャリア ドコモ、KDDI、ソフトバンクがネットワーク対策公開

» 2026年08月15日 13時23分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]

 東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット108(コミケ108)に向け、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯3キャリアは大規模な電波対策を実施する。1日に十数万人が来場するコミケでは、SNS投稿や動画視聴・アップロード、電子決済などにより通信トラフィックが極度に集中しやすい。各社は移動基地局車の増強やミリ波を活用した新技術など、今回初めて行う取り組みを中心に快適な通信環境の構築を目指す。

ドコモ KDDI ソフトバンク コミックマーケットの会場である東京ビッグサイト(東京都江東区)。毎回、非常に多くの人が来場している。コミケ108は8月15日、16日の2日間にわたって開催される。

NTTドコモの対策内容

 NTTドコモは、来場者のモバイル回線をサポートするため、会場周辺の移動基地局車をさらに増強する。東側待機列エリアに移動基地局車を4台配置し、西側待機列エリアには移動基地局車を2台、可搬型基地局を2台配置。東側と西側の両エリアにおいて、前回の(1年前の2025年に開催された)夏のコミケ106と比較して移動基地局車を各1台追加して電波を強化する。

 同社は、混雑時にインターネットがつながりにくいという来場者の声に対応するため、今回の基地局増強に踏み切った。また、会場内を「5G SA」エリアとして整備する。5G SAサービスの提供により、混雑時でも高速かつ安定した通信を実現し、混雑の緩和を図る。

KDDIの対策内容

 KDDIは、イベント対策として初となる「5Gミリ波中継器」を搭載した車載型基地局を導入する。広帯域で高速大容量通信が可能なミリ波の特性を生かし、混雑する屋外待機列での通信環境を向上させる。ミリ波を搭載した車載型基地局1台とミリ波中継器を搭載した車載型基地局2台を連携させて配置し、電波干渉を抑えつつミリ波のエリアを効果的に拡張する。

 また、ミリ波回線をバックホールとして活用し「CPE(Customer Premises Equipment)」と呼ばれる装置を介してWi-Fiとして利用できる仕組みを試験導入する。これにより、ミリ波に対応していないスマートフォンを所有する来場者でも高速通信を利用できるようにする。

 さらに、KDDIは、5G SAに対応した合計6台の車載型および可搬型基地局を設置する。このうち東側の車載局2台と西側の可搬局1台には、Sub6の2つの周波数帯に対応する無線装置「Dual Band Massive MIMO Unit」を搭載する。同装置は、多数のアンテナ素子によるビームフォーミング技術や、同時に複数の利用者の通信を収容する「Multi-User MIMO」技術を活用し、従来の最大2倍の接続数を確保する。

 15日12時30分頃、同社は報道陣を対象に東棟付近の屋外にて速度測定を実施し、結果を公開した。測定はミリ波対応端末と非対応端末を用意して実施した。ミリ波は帯域幅が400MHz幅で、周波数が28GHzであるのに対し、Sub6は帯域幅が100MHz幅で、周波数が3.7GHzとなる。一度測定した結果、ミリ波は下り1.8Gbpsとなり、Sub6は下り270Mbpsを記録した。

ドコモ KDDI ソフトバンク KDDIの対策内容の一例。写真は車載型基地局に搭載された5Gミリ波中継器(筒状のもの)。東棟の屋外の車載型基地局車のミリ波アンテナから受信したミリ波の電波を増幅して、東待機列により広範囲に吹くようにしている
ドコモ KDDI ソフトバンク 速度測定結果。左からミリ波あり、ミリ波なし(Sub6)での測定結果

ソフトバンクの対策内容

 ソフトバンクも、今回のコミケ108で初の取り組みを実施。同社は、開場前の混雑が予想される東展示棟エリアに、ミリ波に対応した移動基地局車と、3.4GHz、3.5GHz、3.9GHzの3つの周波数帯の電波を同時に吹くことができる「3 Band Massive MIMO基地局」を搭載した移動基地局車を配備する。3 Band Massive MIMO基地局のコミケでの導入は今回が初めてだ。

 さらに、ミリ波を固定無線アクセス(FWA)のバックホール回線として利用し、Wi-Fi電波に変換するCPEを初めて導入する。

 同社は、移動基地局車から発射した28GHz帯のミリ波をCPEで受信し、データを変換してWi-Fiとして利用できるようにする。この対策により、ミリ波に非対応の端末を持つユーザーにも安定した「ソフトバンクWi-Fiスポット」を提供する。

 また、西待機列エリアの周辺基地局には3つの周波数帯に対応したアンテナを新設し、通信容量を拡充する。さらに西待機列エリアでは、通常のWi-Fiスポット構築に加えて、電波の飛距離が100m以上あり、広範囲をカバーできる「ハイゲインアンテナ」を活用したWi-Fiサービスを提供する。

 同社はまた、5Gネットワークの自動最適化を行い、1分単位で臨時基地局などのパフォーマンスデータを取得してトラフィックを平準化する。同社は、現地で実際に通信測定を行って品質を確認するほか、イベント終了後にはビッグデータを解析して次回以降の対策に生かす方針だ。

ドコモ KDDI ソフトバンク ソフトバンクの対策内容が分かる画像

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