KDDIとソフトバンクは、12月30日と31日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるコミックマーケット107に合わせ、会場および周辺エリアで通信品質向上に向けた対策を実施する。年末恒例となった大規模同人誌即売会では、来場者の集中によって携帯電話ネットワークが逼迫しやすく、各社が事前に設備増強や技術的対策を講じることが慣例となっている。
KDDIは、東京ビッグサイトの館内および周辺において、Sub6基地局の整備を進めていると説明した。同社はSub6エリア全域で5G SAサービスを提供しており、コミケ107開催中に通信環境が不安定になることが想定される屋外エリアでは、5G SA対応の車載型および可搬型基地局を用いた臨時対策を実施する。これにより、待機列や移動中の利用者に対しても、安定した通信環境の確保を図る。
さらにコミケ106からの強化策として、西側の待機列となる夢の大橋周辺を主な対象に、DB-MMUを搭載した可搬型基地局を1カ所増設する。加えて、前回設置していた東駐車場の車載型基地局と西屋上の可搬型基地局については設備構成を変更し、NRとSub6の3.7GHz帯および4.0GHz帯によるキャリアアグリゲーションを可能にする。これにより、通信容量の拡大だけでなく、高スループットの実現を目指す。
KDDIはコミケ107に向け、東京ビッグサイト周辺でSub6基地局を整備し5G SAを提供。混雑する屋外には車載・可搬型基地局を配置し、夢の大橋周辺には最新設備を増設する。さらに既存設備を3.7GHz/4.0GHz帯のキャリアアグリゲーションに対応させ、通信容量の拡大と高速化で安定した通信環境の確保を図るKDDIは、auとUQ mobileで5G SAを提供している一方、povoでは提供していないと説明した。利用には5G SA対応端末とSIMに加え、5G SA契約が必要となる。また、対応スマートフォンを利用していても、端末ごとに利用設定が必要であり、設定手順はauおよびUQ mobileの公式サイトで案内しているという。SAエリアに入れば自動的に利用できる仕様ではない点を強調した。
ソフトバンクも、コミケ107で5G SAに対応した通信対策を実施すると説明した。今夏のコミケ106で行った対策に加え、新たに3.5GHz帯をLTEから5Gへ切り替える。対象は会場周辺の一部基地局および移動基地局車で、5Gによる通信容量の確保を狙う。また、西待機列エリアの対策として、ハイゲインアンテナを用いたWi-Fiを追加で整備した。通常より高利得で広範囲カバーが見込めるという。
ソフトバンクによると、SoftBankブランドでは、5G SA対応スマートフォンを利用し、現行の5G向け料金プランを契約していれば、申し込み不要でSAエリアに入ることで5G SAを利用できる。一方、Y!mobileとLINEMOについては5Gサービス自体は提供しているものの、SAサービスは提供していない。
なお、NTTドコモや楽天モバイルもコミケ107に向けた対策を講じている。とりわけドコモについては、ネット上で通信がつながりにくいとの声が出ており、対応の内容が注目されている。同社はSNSや公式情報で対策を公表しているが、詳細について本誌は別途報じる予定だ。
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