ユーザーがスマホの利用に集中しすぎている状況をAIで改善することをコンセプトに掲げたPixel 11シリーズだが、カメラにも、そんな機能が搭載されている。新機能のマジックキャプチャーがそれだ。これは、最大500フレームの映像をGeminiが解析して、最高の瞬間を捉えた写真を残してくれるというものだ。
カメラのファインダーを凝視せず、適当にカメラを回しておくだけで写真が撮れることが特徴といえる。実際にこの機能を使い、モデルを撮影してみた。使用感は動画を撮るのに近いが、保存し終わると、その動画だけでなく、そこから切り出した写真も自動で残されている。
AIが選択した写真を見ると、歯が見えるような満面の笑みで、かつ被写体がきちんと中央に近いところにきている構図が多かった。逆に、クールな表情をした人物は選ばれにくい印象。突拍子もないような構図や、どう見てもNGな表情はなかったのがAIならではの選択といえる。やや無難な写真に仕上がりすぎるきらいはあるが、撮影時にビシッと表情を作って静止してくれるモデルではなく、子どもや動物など、動き回る被写体を撮るときに便利だ。
これは便利だなと思ったのは、Pixel 11 Pro Foldでマジックキャプチャーを利用したときのこと。机の上に置きっぱなしにした状態で撮影を開始し、適当なタイミングで終了させれば、その間のベストショットが保存される。ただ、どう見ても、これは失敗カットだろう……というものが残ることもあり、精度にはもう少し改善が必要だと感じた。コンセプトはいいだけに、もう一段のブラッシュアップを期待したい。
カメラのもう1つの新機能が、「カメラスタイル」だ。これは、写真を撮影時に好みの仕上がりにするというもの。Pixelに限らず、スマホのカメラは、通常だと複数枚の写真を撮って合成し、HDRの処理を加えたりしているが、そうした加工を“あえて”抑えてクラシックな色合いを再現している点は、これまでと真逆のアプローチといえる。あえてユーザーに選択肢を委ねているというわけだ。
撮影時の処理を大幅に変えている手法のため、撮った写真の質感はガラッと変わる。「オリジナル」「ナチュラル」「シャドー」「バニラ」といったデフォルトの効果を変更できるだけでなく、「マガジン」「ベルベット」「クラシック」「デジカメ」「モノクロ」「ミニマル」といった、より変化の大きなスタイルを選択することも可能だ。
それぞれで撮った写真は、以下の通り。オリジナルは肌の発色が非常によく、ナチュラルはちょっと自然に、バニラはよりフワッとした印象になるが、それ以上にクラシックやデジカメに変えた際の変化が大きい。極端なAIの処理をしていない感じを、うまく残している印象だ。写真にスマホっぽさがないと言い換えることもできる。
AIの処理を組み合わせるコンピュテーショナルフォトグラフィーをいち早く取り入れ、写真の仕上がりを向上させてきたGoogleが、あえてそのような処理を入れない写真をPixelで撮れるようにしたのは意外感があった。スマホの写真の発色のよさに違和感を覚えていた人には、いい機能だ。より写真にこだわりたい人の選択肢が増えたといえる。
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