NHK(日本放送協会)は9月10日、長期間にわたり受信料を支払っていない滋賀県の宿泊施設経営事業者に対し、約1140万円の支払いを求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表した。
NHKは受信料の未収件数増加を受け、専門組織受信料特別対策センターの設置や支払督促の急増など、法的手続きを通じた公平負担の徹底を進めてきた。今回の提訴に至るまでの発表内容と経緯の概要を整理する。
発表によると、提訴したのは滋賀県に本社およびホテルが位置する宿泊施設経営事業者1社だ。
NHKはこれまで繰り返し契約に基づく支払いを求めてきたが、理解が得られなかったため、最後の手段として訴訟の提起に至ったと説明している。「NHKとして、粘り強くできる限りの対応を行いましたが、どうしてもご理解いただけなかったため、やむなく提訴に至りました。今後とも、受信料制度への理解を得るため最大限努力するという原則のもと、引き続き受信料の公平負担に努めてまいります」
NHKの過去の発表資料をさかのぼると、未収増加に対する危機感から段階的に法的手続きを強化してきたプロセスが分かる。
未収件数が過去5年間で100万件増加(2019年度の約2.5倍)し、2024年度末の支払率が78%(5年前より3ポイント低下)に落ち込んだことを受け、NHKは本部に受信料特別対策センターを設置した。
弁護士や専門職員を配置した同センターが司令塔となり、長期未収者に対して支払督促による民事手続きを本格的に強化することを表明した。
対策強化の結果、2025年度末の未収数(未収の世帯・事業所数)は約174.2万件となり、前年度から約3000件減少して6年ぶりに減少へ転じたと発表した。
2025年度に実施した支払督促は前年度の約11倍となる1368件にのぼり、そのうち1219件は対策センター設置後の10月以降に集中している。あわせて、2026年度は全都道府県で年間2000件を超える過去最多規模の支払督促を展開する計画も明かした。
丁寧な説明や支払督促の実施を経てもなお解決に至らないケースに対し、ついに大規模な未収金を抱える事業所への民事訴訟提起という強い手段に踏み切った。
NHKは、粘り強くできる限りの対応を行いましたが、どうしてもご理解いただけなかったため、やむなく提訴に至ったとしたうえで、今後とも、受信料制度への理解を得るため最大限努力するという原則のもと、引き続き受信料の公平負担に努めていくとコメントしているNHKは受信料制度への理解を得るため最大限努力するという原則を掲げつつも、未収に対する民事手続きや法的手続きを拡大している。全域での支払督促の実施とあわせ、悪質な未収に対する厳格な対応が今後も続くとみられる。
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