開閉のギミック、2画面UIはどう?――写真と動画で解説する「Kyocera Echo」:ワイヤレスジャパン2011(2/2 ページ)
閉じたら普通のフルタッチ型Android、開くとデュアルディスプレイ付きAndroid――そんなガジェット好きの心をくすぐるギミックが特徴の「Kyocera Echo」。ワイヤレスジャパンで同モデルに触れる機会を得たので、詳細をリポートしよう。
ホーム画面はシンプルなUI
ホーム画面は5ページが用意されているが、ディスプレイ結合時は2画面を1ページとして利用できるので、ゆとりを持ってアプリやウィジェットを配置できる。ディスプレイ結合時は、本体を横向きにするとやや縦長の正方形に近い寸法になり、横と縦向き両方で操作できる。縦と横どちらの向きにしてもアプリやウィジェットの配置は変わらないが、横長のウィジェットを使っている場合、縦向きにすると画面をまたいでウィジェットが表示される。また、3つの固定アイコン(ブラウザ、メニュー呼び出し、電話)は、通常は画面下部に置かれているが、ディスプレイ結合時に縦向きにすると、右側に移動する。メニュー画面は、どのスタイルでも縦スクロールする。
ホーム画面は、単に1ページの表示スペースが2倍になったという印象で、もう少し2画面を生かしたUI(ユーザーインタフェース)が欲しいと思う。例えば、Android 3.0のように、下画面でウィジェットやショートカットを選び、上画面で各ホーム画面のサムネイルにアイコンを配置するといった操作ができると、さらに便利に使えそうだ。
2画面にアプリを表示――操作性は?
2つの画面に異なるアプリを表示できるサイマル・タスクモードに対応しているのは、テキストメッセージ、Eメール、インターネット閲覧、電話、ギャラリー、電話帳、VueQue。これら7アプリから2つのアプリをそれぞれの画面に表示して利用でき、ブラウザやギャラリーの写真を見ながらEメールを作成する、といった操作が可能。Android端末はマルチタスクには対応しているが、2つのアプリの分割表示はできず、切り替えて利用する必要があるので便利な操作法だ。VueQueは、Echo用にカスタマイズされたYouTube閲覧アプリ。YouTube動画を見ながら、もう1つのディスプレイで次に見たい動画を選んで先行してバッファリングさせることができる。
2本指で2つのディスプレイを同時にタップすると、サイマル・タスク対応アプリ一覧が現れて選択できる。2画面間の矢印をタップすると、表示されているアプリが入れ替わる。
上記の7アプリは機能アシストモードにも対応しており、2画面を有効活用して1つのアプリを利用できる。VueQue以外のアプリもEcho用に作り込まれているわけだ。例えば、ブラウザでは2つのWebサイトを表示、ギャラリーでは1画面にサムネイル・もう1画面に写真を表示、テキストメッセージやEメールでは1画面に本文、もう1画面にソフトウェアキーボードを表示、といった使い方ができる。1画面だとソフトウェアキーボードが小さくて入力しにくいことがあるので、1画面をフルに使ってキーを表示できるのは便利だ。ブラウザ利用時は、画面をダブルタップすると左下にアイコンが現れ、これをタップすると表示中のブラウザが2画面に分割表示されるので、もう一方の画面のブックマークなどから他のサイトにアクセスすればよい。
サイマル・タスク、機能アシストのいずれも便利な操作法だが、例えばブラウザ利用時に、2本指で2画面をタップして切り替える際に、誤ってブラウザのリンクに触れてしまい、意図せずページにアクセスしてしまうことがあった。他のアプリでも、切り替え操作をするつもりが、意図しない項目を選んでしまうなどの誤操作が起こりうるので、機能切り替え専用のキーが欲しい。サイマル・タスクと機能アシストモード対応アプリも多いに越したことはない。例えば、TwitterとFacebookアプリを同時に利用したり、2画面用にカスタマイズしたTwitterアプリを用意したりできると、なおいい。SNSも2画面との相性はいいだろう。2画面用のUIを採用するにはアプリ側の作り込みが必要だが、2アプリの同時表示は、端末のソフトウェアで対応できるはずだ。
動作速度は、ブラウザなど2画面の利用時にはややもたつくことがあった。ブラウザがマルチタッチに対応しておらず、ピンチイン/アウトの操作ができないのは残念。Google マップはマルチタッチ可能で、マルチタッチはアプリによって対応状況が異なるようだ。2画面使用時はバッテリーの消費量が増すので、実際にどれだけ連続使用できるのかも気になるところだ。
操作性に改善の余地があるとはいえ、2画面を利用できるUIは、既存のスマートフォンにはない利点だ。日本で発売されれば、1画面でワンセグを視聴、もう1画面でTwitterや番組情報サイトを閲覧、といった使い方もできる。フルタッチ型モデルが多いスマートフォンは、デザインの差別化が難しいと言われているだけに、ピボットヒンジのギミックのインパクトも大きい。通信方式を考えると、日本ではKDDIから登場することが期待される。そして同社ブースでEchoを大きく展示していたことを考えると……。日本版Echoが見られる日を待ちたい。
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