携帯電話市場は不調が続いており、第2四半期には出荷台数が前年同期から10.8%減少した。だがスマートフォンは好調なようだ。米IDCがこのような調査結果を報告した。
IDCの調査によると、第2四半期の世界携帯電話出荷数は、前年同期比10.8%減の2億6960万台となった。前四半期からは17.2%のマイナスとなる。
「在庫調整や為替変動、不確定な需要が引き続き携帯電話市場の重しとなっているが、以前ほど深刻ではない。迅速に適応できたベンダーは出荷台数を伸ばしている」とIDCは述べている。
大手端末メーカーの中でも、Nokia、Samsung、Research In Motion(RIM)、Appleはスマートフォンの売り上げが予想以上だったという。こうしたハイエンド端末の人気の高まりにより、大手メーカーやキャリアの間で価格戦争が起きているとも同社は指摘している。
ベンダー別では、Nokiaが首位を維持したが、出荷台数は前年同期から15%減少した。ただしE71やN97などのスマートフォンの投入で、平均販売価格(ASP)の低下に歯止めをかけたという。2位のSamsungは多様なラインアップで出荷台数を14%伸ばし、3位のLG Electronicsはミッドレンジからハイエンドの製品が好調だった。MotorolaとSony Ericssonは出荷台数が40%以上減少している。
ベンダー | 2Q09出荷台数 | 2Q09市場シェア | 2Q08出荷台数 | 2Q08市場シェア | 出荷台数伸び率 |
---|---|---|---|---|---|
Nokia | 103.2 | 38.3% | 122.0 | 40.4% | -15.4% |
Samsung | 52.3 | 19.4% | 45.8 | 15.2% | 14.2% |
LG Electronics | 29.8 | 11.1% | 28.1 | 9.3% | 6.0% |
Motorola | 14.8 | 5.5% | 27.9 | 9.2% | -47.0% |
Sony Ericsson | 13.8 | 5.1% | 24.4 | 8.1% | -43.4% |
その他 | 55.7 | 20.7% | 54.0 | 17.9% | 3.1% |
合計 | 269.6 | - | 302.2 | - | -10.8% |
(資料:IDC) |
IDCは2009年通期について、携帯電話出荷台数は前年から13%減少すると予測している。コンシューマー市場でのハイエンド端末の需要と、そうした需要に対応してポートフォリオをシフトするメーカーの手腕に、小さな改善の兆しが見られるという。
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