慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の研究発表イベント「Open Research Forum 2011」(東京ミッドタウン、11月22〜23日)で、「スマートフォンを使って未来の情報社会をより明るく、楽しく、易しくする作品やそのアイデア」コンテストの入賞者が発表された。
この「ケータイ未来コンテスト」の開催は今年で2回目。全国の児童・生徒・学生から寄せられたアイデアを競う「未来創造部門」と、実際に開発されたアプリを競う「先端作品部門」の2部門で、最優秀賞と審査員特別賞がそれぞれ1件ずつ選出された。最優秀賞にはトロフィーと賞金10万円のほか副賞として米AppleのMacbook Air(11インチ)が、審査員特別賞にはミニトフロフィーとApple iPad2が授与された。入賞作品は次の通り。
engraphは、ユーザーのスマートフォンに登録された電話帳を、従来の50音順のリスト形式から“親密度”に基づく同心円状の表示「フレンドマップ」に並び替えるAndroidアプリ。円の中心にはユーザー自身が配置され、中心付近にユーザーとつながりの深い連絡先をTwiterなどから自動抽出して配置。これにより「より早く簡単に友人とつながれるようになる」という。
Twitter/Facebookとの連携機能も搭載した。ユーザーは同アプリ上で連絡先のアイコンをタップすれば、そのユーザーに対して直接Twitterでリプライしたり、Facebookのウォールに書き込んだりできるという。そのほか、連絡先アイコンをTwitterやFacebookから自動で引用する機能も搭載。β版をAndroidマーケットで公開している。
Sensusは、スマートフォンに搭載された各種センサーやカメラを利用し、ユーザー同士で「紅葉マップ」や「騒音マップ」といった地域データを作っていく「センシングコミュニティ」アプリ。Blootoothによって外部のセンサーとスマートフォンを連携させる機能も備えており、例えば放射線量計などと組み合わせれば、累積放射線量が一定基準を超えた際にメールで警告する――といった機能も利用できるようになるという。
セーターでんわは、セーターがそのまま携帯電話になる――というアイデア。説明書きによると、「セーターでんわは、でんわをもち歩かなくてもいいし、おとさない」という。そのほか腕の部分にディスプレイを搭載しており、「ゲームやメールもできます」としている。もちろん、「セーターだからふつうにうんどうもできます」という。
同コンテストの審査員を勤めた慶應義塾大学の夏野剛 政策・メディア研究科特別招聘教授は「他の応募作品と違い、“妙に狙っていない”ところを評価した。クラウドなどといった現在のトレンドを追いかけるのではなく、あくまで自分が欲しいと思った機能を素直に追求している。ある意味で、スティーブ・ジョブズの発想に通ずる部分があると感じた」とコメントしている。
以心伝心「心がつながる」ケータイは、ユーザーが誰かに伝えたいことをケータイやPCが察知し、伝えたい相手のデバイスにその内容を自動送信してくれる――というアイデア。これにより、離れて暮らしている家族が震災などの際に安否確認をしたり、暗い気持ちになっていないかを伝え合ったりできるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR