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「翻訳業界に価格破壊を」 ソーシャル翻訳「コニャック」がリニューアル

» 2012年01月11日 15時54分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo コニャック

 ネットベンチャーのエニドア(東京都千代田区)は1月11日、ユーザーが多数のアマチュア翻訳者に対してテキストの翻訳を依頼できる“ソーシャル翻訳”サービス「コニャック」の全面リニューアルを実施したと発表した。料金体系を見直したほか、ユーザーが翻訳者を「ブラックリスト」指定できる機能などを追加した。

 コニャックは、ユーザーがメールやブログ、ECサイトの文章など任意のテキストの翻訳を、サイトに登録しているアマチュア翻訳者に依頼できるというサービス。翻訳依頼は約5000人(1月現在)の翻訳者にメールで一斉通知され、先着で2人の翻訳者が翻訳した結果がユーザーに返ってくる――という仕組みだ。対応言語は英語や中国語、ロシア語など47言語。

 従来は1文字当たり約1円(日本語→英語の場合)という料金体系だったが、今回のリニューアルに伴い新たに共通通貨「クレジット」を導入。ユーザーは1クレジット=2ドルから購入でき、1クレジット当たり最大720文字までの翻訳を依頼できるようにした。

photo 山田尚貴社長

 同社の山田尚貴社長によると、従来の人力による翻訳サービスは1文字当たり20円ほどが相場だったという。今回の料金改定によって「翻訳業界全体に価格破壊を起こしたい」と山田社長は話す。

 また、新たに翻訳者のブラックリスト機能を搭載した。ユーザーは質の悪い翻訳をした翻訳者をブラックリストに指定することで、次回以降の依頼の際に通知を送らないようにできる。また、一定数以上のユーザーからブラックリストに指定された翻訳者のサイト登録を抹消するという機能も備えた。

 このほか、翻訳者がサイトに登録する際のFacebookアカウントでの認証を必須にした。これによりスパム業者による不正登録を防ぐほか、実名登録が基本のFacebookアカウントとひも付けることで「翻訳者が悪意のある翻訳をしづらいようにし、依頼者に安心感を与える」(山田社長)としている。

 翻訳者の評価基準も見直した。従来は一般ユーザーと翻訳者の両者が他の翻訳者を5段階で評価できたが、リニューアルに伴い一般ユーザーによる評価制度を撤廃。代わりに翻訳者同士による評価と独自のアルゴリズムを組み合わせることで、より詳細に翻訳者を評価できるようにしたという。

 1月末には同サービスのWebサイト版とFacebook版を統合する予定。同社は一連のリニューアル効果で今年中に1億円の売り上げを目指す。

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