筆者は当初、この新型Model 3に関して、横から見たらほぼ見分けがつかないだけに、前や後ろのデザインが変わっただけのマイナーチェンジかフェイスリフト程度に考えていた。
だが、実車に触れて「中身」が大きく進化していることを知り、その考えを改めなければと思った次第だ。他社のモデルにあるようなグレートリセット的な「完全なモデルチェンジ」とはいえないまでも、進化のステップが“ドカン"と積み上がったことは確かだ。
Teslaのクルマは、ソフトウェアだけでなくハードウェアも常に進化しているそうだ。例えば、筆者の21年型と比較すると、スクリーンの操作感が大きく改善されるなどしている。「走るスマホ」といわれるTeslaだけに、スクリーンの操作感はドライブ体験の良しあしに直結する。駆動バッテリーの改良で航続距離も伸びている。もっと年式の古いModel 3ユーザーはその感覚がさらに強くなるのではないか。
テスラユーザーが集うフォーラムを運営するなど、テスラコミュニティーでは名の通ったテスカス氏が会場にいたので、ベテランModel 3オーナーとしての感想を聞いてみた。テスカス氏は2019年の日本初登場のModel 3に乗っている。
「僕にとっては、まったく別のクルマに感じます。欲しくてたまりません」(テスカス氏)と満面の笑みで答えてくれた。じゃあ、筆者である山崎はどうするのかというと、当面は様子見の姿勢だ。
ローンの残債もあるし、EV補助金のシバリもあと2年ある。そもそも、2年前に、ロングレンジを509万円で購入した身からすると新型の価格は高すぎる。齢66、新たに多額のローンを抱えることにも不安がある。
ただ、ニューラルネットによる学習で構築したFull Self Driving BETA(Teslaの高度運転支援)が、仮に日本で使えるようになった場合、「HW3.0」と呼ばれるメインコンピュータを搭載した21年型モデルにも対応可能だという。
つまり、この先も自動運転の夢と希望を諦めることなく、現在のModel 3に乗り続けることができるのだ。Teslaの最大の魅力はまさにここにある。というわけで、ローンを完済するころには円高になり、新型Model 3の価格が下落していることを切に願いつつ、台風が近づく発表会を愛車で後にしたのであった。
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