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ぬいぐるみの毛羽立ち、プラスチックの目、耳たぶの金属タブとラベル、白いシーツ。これらのマテリアル感がそれぞれしっかりと伝わってくる。解像力に優れていることの証である。レンズの被写界深度だが、狙いとしてはもう少しボケがほしかったのが本音である。この作例のみ、ファイル容量がもっとも小さなLOWモードで撮影した。他はすべてHIモードで記録している。
日没後の渋谷スクランブル交差点。輝度の少ない状況下で、空の色の「階調の連続性」を試すべく、この時間帯を選んで撮影した。天候的にはもう少し曇っていた方が条件としては理想的だったが、まずまず満足な結果を得た。オートフォーカスはネオンサインに合わせているが、このわずかな光量でどんぴしゃりにフォーカスするのは素晴らしい精度と言えるだろう。ネオンサインは、疑色の出ないSD10が得意とする被写体だ
こちらは感度をISO400に変えて、作例2と撮り比べた一枚。時間帯も同じで、オートホワイトバランスであることも共通である。ネオンサインに着目してほしい。RGBおよびその補色の色合いがかなりの輝度で写り込んでいる。黄緑から緑、ペパーミントブルーから緑への変化などが忠実に表現され、すばらしい色分離結果が得られた。今後も大いに期待できるカメラであることは間違いない
午後7時前。とっぷりと日が暮れた渋谷の街で、クリスマスのイルミネーションを発見した。絞り開放でISO400にしても、シャッタースピードは1/25秒。手持ち撮影には厳しかったが、呼吸を整えてシャッターを切った。ミックス光源ながら、オートホワイトバランスは賢く機能した(彩度とシャープネスは、現像時に若干調整した)。SD10のシャープ感が、ピンクの電飾一つ一つを鮮やかに際立たせている。手前のツリーの青い電飾はややアウトフォーカス気味で、そこに生じた色のボケで混ざり合う光の再現性に好感を持った。
午後3時過ぎの公園の木陰。シャドー部の多い被写体だが、あえてISO100で撮影した。EV補正もしていない。緑が鮮やかに発色している。ホワイトバランスは、オートでは色温度の低いシアンかぶりの絵になってしまったので、日陰に設定している。手持ちゆえ、シャッタースピードを確保するために絞りを開放にしているが、画面中央部のオートフォーカス合焦度は見事である。驚くべき解像感に筆者は惚れ込んでしまった。
午後4時の光である。ホワイトバランスをオートにしたところ、やや色温度が高めになった(アンバーになった)ので、日陰に設定するとナチュラルな色具合になった。もちろんこれらは現像時に調整すればいいことなのだが、なるべくJPEG気分で撮りたかったのでホワイトバランスはマニュアル設定にこだわってみた。オートフォーカス精度はSD9に比べてかなり向上しており、シャープ感のある絵を作り出してくれた。光量の少ないシチュエーションながら、シャドー部まで描写されている。
傾いた秋の西日がゴルフ練習場のグリーン上に注いでいた。ビジター用パーキングスペースの暗がりから撮った、極端なコントラストの一枚である。分割測光により、グリーンにきちんと適性露出がきている。色鮮やかなグリーン、そこに散らばる無数のボールをしっかりと描写していて見事だ。シャドー部にもノイズは見られない。SD10は撮影後のRAW現像が楽しくなるカメラだと思う。
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