10倍ズーム機の決定版?――手ブレ補正/動画/回転液晶の「PowerShot S1 IS」(3/3 ページ)

» 2004年02月27日 23時59分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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 左右に180度、前後に270度(レンズ側180度/手前側90度)回転するバリアングル液晶は、筆者がデジカメ購入の第1条件にしているほど便利な機能だ。地面スレスレのローアングルから、両手を目一杯上に上げてのハイアングル撮影までこなせるこの回転液晶システムは、撮影の幅を大きく広げてくれる。

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 使いやすい液晶モニタの一方でEVF(電子ビューファインダー)は11.4万画素と、ライバル機のオリンパスCAMEDIA C-760/770 Ultra Zoomが24万画素の高解像度EVFを採用してきている中ではやや見劣りがする。

 また、しばらく使っていて気になったのがバッテリー寿命。アルカリ乾電池では100枚前後の撮影でバッテリー切れを起こしてしまった。EVFよりも見やすく使いやすいバリアングル液晶ディスプレイを多用していたためだろうが、そのほかにもAFをコンティニュアス(常にピントを合わせている状態)にしていたり、ISをオンにして高速なUSMズームを調子に乗って使っていたりするとすぐにバッテリーが消耗されてしまう。

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 カタログスペックでは、アルカリ電池で約120枚、推奨ニッケル水素充電池(NB4-200)では550枚とバッテリー寿命に大きな開きがある。これは、NB4-200が2300mAhという大容量タイプのニッケル水素充電池を使っているためだ(三洋電機からも2300mAhタイプが市販されている)。アルカリ乾電池は非常用と割り切った方がよさそうだ。

400万画素「S2 IS」も時間の問題?

 CCDは1/2.7インチ有効320万画素を採用している。同じCCDサイズのCAMEDIA C-760が同型ボディで4メガピクセルのC-770というラインアップを用意していることからも、1/2.5インチ有効400万画素CCDを搭載したS1上位機種(S2 IS?)が登場するのは時間の問題かもしれない。もっとも筆者は、優れた高倍率ズームがあれば解像度の少なさはカバーできると思っているので、3メガピクセルあれば十分と考えている。

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 IS&USM付き光学10倍ズームやバリアングル液晶、ビデオカメラ的な操作感を可能にした動画撮影、豊富な撮影機能とそれを生かす多数の機能ボタンなど、ソツがないスペックをコンパクトボディにパッケージングするワザはキヤノンならではだ。ハイエンド並みの機能をおごっているにもかかわらず、実売予想価格は6万円弱と値ごろ感も高い。取材用のサブカメラを物色していたのだが、これで決まりかなぁ……(独り言)

photo プログラムAE、1/320秒、F4.5、ISO 50
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