プロ向け写真機材の展示会「IPPF(国際プロ・フォト・フェア)2004」が、3月4日から東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催。プロ向けに力を入れているカメラメーカーが最新のデジカメを展示している。
先日米国で開催されたカメラ展「PMA 2004」で話題をさらったコニカミノルタ待望のDSLR(レンズ交換式一眼レフデジカメ)「α-7 Digital」。3月19日から始まるフォトエキスポで国内初披露と思いきや、IPPFの同社ブース片隅に“こっそり”展示してあった。
IPPFは、プロカメラマンやフォトスタジオなど写真業界の関係者を対象にしている催しだが、ハイアマチュアと呼ばれる熱心なカメラファンも少なくない。いや、数の上ではこれらコアな一般ユーザーがプロ関係者よりも勝っている。α-7 Digitalは、キヤノンEOS Kiss DigitalやニコンD70といったDSLR普及機ではなく、“α-7”の名が示す通り「中級機」の位置付け。ハイアマチュアが数多く集うIPPFでお披露目された理由もうなずける。
今秋の発売がアナウンスされているが、同ブースを訪れたαユーザーからは「ようやく出ますね」といった喜びの声とともに「まだ秋まで待たなければいけないのか」といった声も。また、「α-7の次はα-9も出るんですよね」といった気の早いユーザーもいたという。
「ユーザーからは、CCDをスライドさせるボディ内蔵型手ブレ補正機能についての質問が多い。秋頃ということだが、晩秋ではなく10月までには出したいところ。価格は未定だが、“α-7”のデジタル版ということで20万円は切りたい」(同社)
ニコンのブースで多くの人を集めていたのが、先日発表された普及機「D70」。ブースでは実際に手にとれる実機を数台用意しており、3月19日の発売前に触れるとあって順番を待つ人の長い列ができていた。
「デジタルに興味を持ち始めたが価格面で手を出せなかったという銀塩ユーザーが数多く訪れている。年齢層は50〜60歳代ぐらい。実売価格や手持ちのニッコールレンズが使えるかといった質問が多い」(同社)
一方のキヤノンは、普及機(Kiss Digital)など展示せずにあくまでプロ向けにアピール。4月下旬に発売予定のEOS-1D後継機「EOS-1D Mark II」を紹介していた。
「大型28.7×19.1ミリ(APS-Hサイズ)有効820万画素CMOSセンサーを搭載した点に注目が集まっている。EOS-1Dは外部調達のCCDだったが、Mark IIは当社製CMOSを採用し、ノイズも大幅に減っている。8.5コマ/秒の高速連写も特徴」(同社)
オリンパスのブースでは、3月中旬に発売予定の8メガ/5倍ズームのコンパクト最上位機「C-8080」が5台ほど並べられたハンズオンコーナーを設置。注目の8メガ機に、足を止めて手にとるユーザーが目立った。
ここのところ新製品リリースが相次いでいる800万画素デジカメの中では比較的地味なスペックとなっているC-8080だが、CAMEDIAシリーズには根強いファンが多い。
フォーサーズ規格DSLR「E-1」の実機が触れるコーナーにも、多くのユーザーが訪れていた。発売当初はラインアップの少なさを指摘されていたフォーサーズ対応レンズも徐々に数が増えてきている。同コーナーでは希望のレンズを担当者にいえば交換してもらえる。
富士写真フイルムのブースで注目を集めていたのは、昨年のIPPFで参考出展し、発売延期を経て今年1月にようやく発売した中判カメラ用デジタルカメラバック「DBP for GX680」。コマーシャルや写真館などで使われている6×8サイズの「GX680」に対応するCCDバックだ。37×52ミリ有効2080万画素の大型スーパーCCDハニカムを搭載し、画素補間により最大5408×7648ピクセル(4140万画素)の画像を撮影できる。
さて、同社で気になるのは、米国法人からすでに発表され、PMAでも参考出展されたDSLR「FinePix S3 Pro」。スーパーCCDハニカムSRのAPS-Cサイズを搭載することでも話題となっている。残念ながら今回のIPPFには展示されなかったが、秋には登場する見込みだ。
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