広角レンズが楽しいレンジファインダーの世界では少し残念な数字だが、それでも10ミリ台の高性能レンズが数多く出回っているので大きなデメリットにはならない。12ミリのレンズなら18ミリ相当、15ミリなら23ミリ相当の広角撮影が楽しめるのだ。焦点距離にうまく合致する外付けファインダーを探すのに苦労しそうだが、R-D1の画角にあった外付けファインダーの販売も検討しているという。
注意しなければいけないのが、レンズ後玉部分がマウントから20.5ミリ以上後ろに飛び出るタイプのレンズは装着できない点。これらのレンズは、マウントできてもシャッター幕やCCDを損傷する恐れがあるのだ。装着できないレンズとして、HOLOGON 15mm F8/SUPER ANGULON 21mm F4/同F3.4/ELMARIT 28mm F2.8(最初期対称型)/SUMMICRON 50mm F2(DR)、沈胴できないレンズとしてHEKTOR 50mm F2.5/ELMAR 50mm F3.5がアナウンスされている。
レンズ交換式一眼レフデジカメ(DSLR)がレンズ込みで13万円前後で買える現在、オートフォーカスもないマニュアル機に30万円弱は高すぎるという声もあり、発表会でも廉価版を求める意見が飛び出した。だが、安心して欲しい。このデジカメは、そんな文句をいうユーザーを最初からターゲットにはしていない。
このカメラを一番待ち望んでいるのは、もしかしたら“中古カメラ店のオヤジ”かもしれない。客が持ち込んだ“銘玉”の程度を、迅速かつ確実にチェックするのにうってつけだからだ。同じような理由で、これから中古カメラ市では、R-D1を首からぶら下げたカメラマニアが増えそうだ。
もちろん、同社が一番狙う“ライカ愛好家”は、放っておいても買うだろう。この“お金に糸目をつけない”ひとびとは全世界に数十万人はいるといわれている。R-D1の初年度販売目標(1万台)は、十分達成できそうだ。
もっとも廉価版に関しては、同社も前向きに検討しているようだ。非公式な意見だが、コストが高そうなアナログメーターや背面液晶ディスプレイなどを廃止/簡略化すれば、10万円台はすぐに可能という関係者の声もあった。その時は、ぜひ「BESSA」の名を冠してもらいたい。
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