NECのハイブリッドレコーダー「AX300」の魅力を徹底分析レビュー(1/3 ページ)

» 2004年03月15日 13時05分 公開
[土田一彰,ITmedia]

 HDDやDVDにテレビ番組を録画・記録する家電のレコーダーが人気だが、なかでも、PCとの連携機能があるAXシリーズは、PCユーザーにはとくに注目度の高い製品だ。「AX20」の後継機として発売された「AX300」は、新たにDVDへの書き込み機能が追加され、いわゆるハイブリッドレコーダーとしてフルモデルチェンジ。他社のレコーダにはない独自の機能や操作性などが魅力となっている。

 ラインアップとしては、HDD容量が300Gバイトの「AX300H」と160Gバイトの「AX300L」の2機種が用意され、容量以外の仕様はすべて共通。DVDへの書き出しは、DVD-RAM/Rに対応し、DVD-RWについては、再生のみに対応する。また、新たにBSアナログチューナーを搭載したほか、D2端子を装備し、DVD再生時はプログレッシブ出力にも対応。映像は入出力3系統(D1出力のほかはS/コンポジット端子)、音声も入出力3系統(光デジタル出力1系統、ほかはアナログ2ch)を装備する。

 本体は、やや奥行きのある形状だが、AVラックなどにすっぽり納まるサイズ。電源ボタンとDVDイジェクトボタンのみを装備するシンプルな外観となっており、各種操作はすべてリモコンからおこなう。じつに多機能なAX300だが、メニュー画面を表示しながら、リモコンボタンで選択または決定していく基本インタフェースのため、操作は比較的分かりやすい。今回は、このリモコンで操作可能な範囲の機能について、詳しくみていこう。

製品名 AX300H AX300L
型番 PK-AX300H PK-AX300L
HDD容量 約300Gバイト 約160Gバイト
記録可能メディア DVD-RAM(DVD-VR)、DVD-R(DVD-Video)
テレビチューナー 地上波VHF/UHF、BSアナログ
オーディオ入出力 入力×3、出力×2、光デジタル出力(S・PDIF)×1
ビデオ入出力 入力×3、出力×2(S端子、コンポジット)、D1/D2出力端子
ネットワーク 10/100BASE-TX
本体サイズ 430(幅)×360(奥行き)×77.5(高さ)mm
価格 オープン(NEC Direct価格 14万1540円 税込) オープン(NEC Direct価格 11万5290円 税込)
DVDドライブはスロットインタイプ。前面のアルミドア内にSビデオ/コンポジット入力端子を装備する
背面には、映像入出力端子や10/100BASE-TX LANポートを装備。電源ファンも搭載する

リアルタイム映像をスルー表示するアドバンスドタイムシフト

 まず、テレビ視聴で特筆すべきなのが、本機種から採用された目玉機能の一つ「アドバンスドタイムシフト」だ。従来機でも常時タイムシフトとして、視聴中の番組の一時停止や巻き戻し再生が可能だったが、この場合、HDDに一旦録画した映像を観ることになるため、画質がやや落ちたり、実際の放送とは数秒のタイムラグがあるといった問題があった。これに対して、アドバンスドタイムシフトでは、バックグラウンドでHDDに番組を録画しながら、画面にはリアルタイムの放送を表示し、一時停止や巻き戻しボタンを押したときのみ、タイムシフト映像に切り替えられるしくみとなっている。

 録画中の番組を巻き戻して視聴できる“追っかけ再生”に対応したレコーダーは多いが、常時タイムシフトに対応した機種は少ない。タイムシフトは、視聴中の番組で、サッカーの得点シーンなどを見逃したとしても、すぐに巻き戻してみられる、じつに便利な機能だ。さらに、実際の放送とのタイムラグがないアドバンスドタイムシフトに対応しているのは、現在のところAX300だけで、ライブ映像視聴時はチャンネル切り替えのレスポンスもよく、他の機種にはない大きなアドバンテージとなっている。タイムシフトは、1分刻みで最大90分まで設定可能で、映像はHDDにバッファとして一時的に保存される。

 また、視聴で面白いのがシーンサーチ機能で、タイムシフト再生や録画再生時にリモコンの「シーン」ボタンを押すと、画面下にタイムラインとともに映像のサムネイルが並んで表示される。サムネイルの時間間隔は、0.5秒/1秒/2秒/10秒/60秒/5分に設定可能で、観たいシーンを探し出してジャンプできるという便利な機能だ。

 そのほか、2/4/10/20/50/100倍のスピードから3段階に分けて設定可能な早送り・早戻し再生、5/15/30/60秒のなかから選択できるワンタッチスキップ&リピート再生、気になるシーンを頭出し設定できるブックマーク機能(1番組で最大50箇所)などをサポートしている。

 シーンサーチでの映像サムネイルの表示や切り替えはレスポンスがよく、100倍での高速早送り・早戻しもノイズがほとんどなく再生できるなど、このあたりの使い勝手は申し分ないものであるといえる。多彩な視聴・再生機能で、映像を十二分に満喫できるはずだ。

 なお、受信映像やキャプチャ映像に関しては、従来機と同様、ゴーストリダクション、3次元YC分離、デジタルノイズリダクション、タイムベースコレクタといった高画質化のための補正機能を搭載している。

タイムシフトでは、視聴中の番組を最大90分まで遡って再生可能
シーンサーチ機能で観たいシーンをすばやく検索

自分好みにカスタマイズできる「おまかせ番組表」

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