パーソナルユースからオフィス需要まで幅広くカバーする複合機――キヤノン PIXUS MP710/740(3/3 ページ)

» 2004年03月19日 19時09分 公開
[リアクション,ITmedia]
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 最後に、ドライバと付属アプリケーション類のユーザビリティ、画質と速度について見ていこう。

プリンタドライバ

プリンタドライバの画面はPIXUSシリーズと共通だ。「印刷品質」−「カスタム」−「設定」ボタンを押すと、より詳細な印刷品位設定が行える。全部で5段階あり、「品位1」が本当の意味での最高画質だが、用紙の種類によっては選べない品位レベルもある
プリンタドライバの「ページ設定」タブでは、全面フチなし印刷時のトリミング(はみ出し量)を4段階で設定できる。画像の周辺部分まできっちり印刷したいときは、はみ出し量を少なくするが、用紙に余白が生じる場合がある

TWAINドライバ

スキャナドライバの「ScanGear MP」も、基本的にはCanoScanシリーズと同じものだ。基本モードと拡張モードを持ち、原稿台に置いた10枚までの写真などを1回のスキャンで取り込める。原稿の傾きも自動補正してくれるので便利だ。こちらは基本モードの画面
拡張モードでは詳細な画質調整が行える。「ごみ傷低減」はソフトウェア処理なので、3段階で選べる強度は「弱」か「標準」が無難。「強」だと補正の跡が残りやすい。「粒状感低減」は、高感度フィルムなどからプリントされた写真のザラつきを補正する機能だ。色調補正では、ブライトネス/コントラスト、ガンマ、レベル(ヒストグラム)、トーンカーブが使える
ヒストグラム画面

プリントツール(Easy-PhotoPrint)

手軽に全面フチなし印刷が行えるプリントツールの「Easy-PhotoPrint」。ステップ1では、エクスプローラ風の画面で印刷する画像を選べる。メニューバー「ファイル」-「設定」からは、自動画像補正処理(ExifPrint補正)の有無や、フチなし印刷のはみ出し量を設定できる
ステップ2では用紙サイズと用紙種類を選択。プリンタドライバ機能の「VIVIDフォト」と「デジタルカメラノイズリダクション」も利用可能だ
ステップ3で印刷レイアウトを決定。フチなし印刷の場合は、トリミングで印刷範囲を調整できる。はみ出し量の設定と合わせて、フチなし印刷で切り取られてしまう画像の周辺部分を、ユーザー側である程度はコントロール可能だ

スキャンツール(MP Toolbox)

目的ベースでスキャンする「MP Toolbox」は、MP740/710のスキャンボタンと連動する。スキャンボタンを押したときに自動で呼び出される機能は、標準では「保存」に割り当てられている。複数枚の原稿を1つのPDFファイル化(マルチページPDF)でき、自動OCRによるテキスト化も可能だ

プリント画質

フォト用紙への写真印刷は、キヤノン得意の記憶色補正による鮮やかな発色だ。コントラストは若干高めだが、黒つぶれと白とびは起こりにくく、派手すぎない程度の彩度で好感度はかなり高い。画像によっては色が乗りすぎて濃く感じる場合もあるが、簡単に調整できる。最小2ピコリットルのスーパーフォトノズルのおかげで、4色機ながら粒状感はごく一部のシーン(人物の首筋に落ちる影のような明暗差の激しい部分)を除いてほとんど目視できない。普通紙コピーの画質も、顔料系Bkインクなので文字のにじみが少なく、色の再現性も良好だ

スキャン画質

スキャン画質は若干アンダー気味になりやすい。取り込み後にフォトレタッチソフトで補正するよりは、TWAINドライバの拡張モードでヒストグラムやトーンカーブを使い、中間調を明るめにするほうが画像の劣化が少ない。発色、色の再現性は、原稿にかなり忠実だ

速度グラフ

  • プリント時間
用紙はL判がプロフェッショナルフォトペーパー、はがきがインクジェット官製はがき、A4が普通紙だ。全体的に速く快適。グラフ上ではL判フチなしの「品位1」だけ遅く見えるが、それでも2分少々だ。「きれい」との画質差もほとんどなく、通常は「きれい」で十分
  • スキャン時間
プレビューは「実行」-「画像表示」-「CISのキャリッジリターン」のタイム。L判の600dpiが遅いのは、データの転送待ちが発生してCISの動きが断片的に止まるためだ。USB1.1(USB2.0 Full-Speed)の典型的なパターンである。300dpiでもCISの動きが途切れるが、600dpiほど顕著には遅くならない
  • A4普通紙コピー時間
コピー時間は原稿によって大きく変化する。ここでは、キヤノンの最新「インクジェットプリンタ総合カタログ」の32ページ(MP740/710のページ)を1枚、A4からA4で等倍コピーした。コピーも全体的に高速で、カラー/モノクロとも「ハヤイ」で十分に見られる画質である
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