この製品では入力の高速化を図り、ステップスカルプチャー式のデザインを導入、列ごとにキートップの傾斜角度を変えている。キーのサイズ(押す部分の面積)も若干違い、縦方向のサイズは最大0.5ミリほど差がある。
打鍵感には満足したが、カーソルキーの配列には違和感を覚えた。
右と左のキーが張り出した一般的なデザインではなく、上下のキーが左右キーを挟み込む格好になっている。カーソルキーは右手小指で操作することになるかと思うが、このデザインでは小指で位置を把握しづらい。
思えばこのカーソルキー、姉妹品である「ビジネステンキーボード」のデザインをそのまま生かしてある。テンキー部は左右付け替え可能な設計になっている。
ちなみに、テンキーを外しての販売を希望する声も出ているようだが、そうなるとカーソルキーが使えなくなるわけだ。
フルキーボードとしてつくったというよりも、テンキーに文字キーを付けたキーボード。このような印象を受けた。
ここまでは記者の使用感。実際の性能を数値で比較してみよう。タイピングソフトで実験してみた。
いくらITmediaがガンダムサイトとはいえ、毎度ガンダムでは芸がないので「機動戦士ガンダム ZAKU打」(イーフロンティア)はあきらめた。
――というわけで、今回は劇場版公開決定記念ということで「機動戦士Zガンダム タイピングゼータ」(同)を投入してみました。
クリアタイム(秒) | 1ステージ | 2ステージ | 3ステージ |
---|---|---|---|
ビジネスフルキーボード | 37.5 | 125.8 | 86.9 |
一般的なキーボード | 37.9 | 140.1 | 89.9 |
序盤3ステージのクリアタイムを比較したところ、全ステージでビジネスフルキーボードが一般的なキーボードの性能を上回った。
1文字当たりの入力時間(秒) | 1ステージ | 2ステージ | 3ステージ |
---|---|---|---|
ビジネスフルキーボード | 0.252 | 0.531 | 0.219 |
一般的なキーボード | 0.255 | 0.565 | 0.223 |
1文字当たりの入力にかかった時間の平均値でも、ビジネスフルキーボードが勝っている。
入力ミス(回数) | 1ステージ | 2ステージ | 3ステージ |
---|---|---|---|
ビジネスフルキーボード | 0 | 7 | 7 |
一般的なキーボード | 0 | 3 | 9 |
入力ミスの回数では、ビジネスフルキーボードの方が多い。ただし、ビジネスフルキーボード利用時に第2ステージでタイプミスが多かった理由は、記者の苦手な英数字入力が多かったから。逆に考えると、誤入力でタイムをロスしても、一般的なキーボードを上回る結果を残したわけだ。
さすがに7万円は伊達じゃない。総合的に考えると、一般キーボードよりも使い勝手に優れていた。
数字入力の業務が多いなら、個人でも、テンキー周りのデザインを重視するこのキーボードを選択肢に入れるのはありだと思う。ただ、文字入力中心の業務なら、懐具合によるのでは。
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