懐は痛くても指には優しい7万円キーボードレビュー(2/2 ページ)

» 2004年06月10日 20時08分 公開
[中嶋嘉祐,ITmedia]
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「テンキーありき」のキー配列?

 この製品では入力の高速化を図り、ステップスカルプチャー式のデザインを導入、列ごとにキートップの傾斜角度を変えている。キーのサイズ(押す部分の面積)も若干違い、縦方向のサイズは最大0.5ミリほど差がある。

photo
photo 上と横から眺めた図。

 打鍵感には満足したが、カーソルキーの配列には違和感を覚えた。

 右と左のキーが張り出した一般的なデザインではなく、上下のキーが左右キーを挟み込む格好になっている。カーソルキーは右手小指で操作することになるかと思うが、このデザインでは小指で位置を把握しづらい。

photo ビジネスフルキーボードのカーソルキーと一般的なキーボードのカーソルキー。

 思えばこのカーソルキー、姉妹品である「ビジネステンキーボード」のデザインをそのまま生かしてある。テンキー部は左右付け替え可能な設計になっている。

 ちなみに、テンキーを外しての販売を希望する声も出ているようだが、そうなるとカーソルキーが使えなくなるわけだ。

photo 背面図。留め具の位置を変えればテンキーを左右で付け替えられる。

 フルキーボードとしてつくったというよりも、テンキーに文字キーを付けたキーボード。このような印象を受けた。

実戦投入

 ここまでは記者の使用感。実際の性能を数値で比較してみよう。タイピングソフトで実験してみた。

 いくらITmediaがガンダムサイトとはいえ、毎度ガンダムでは芸がないので「機動戦士ガンダム ZAKU打」(イーフロンティア)はあきらめた。

 ――というわけで、今回は劇場版公開決定記念ということで「機動戦士Zガンダム タイピングゼータ」(同)を投入してみました。

クリアタイム(秒) 1ステージ 2ステージ 3ステージ
ビジネスフルキーボード 37.5 125.8 86.9
一般的なキーボード 37.9 140.1 89.9

 序盤3ステージのクリアタイムを比較したところ、全ステージでビジネスフルキーボードが一般的なキーボードの性能を上回った。

1文字当たりの入力時間(秒) 1ステージ 2ステージ 3ステージ
ビジネスフルキーボード 0.252 0.531 0.219
一般的なキーボード 0.255 0.565 0.223

 1文字当たりの入力にかかった時間の平均値でも、ビジネスフルキーボードが勝っている。

入力ミス(回数) 1ステージ 2ステージ 3ステージ
ビジネスフルキーボード 0 7 7
一般的なキーボード 0 3 9

 入力ミスの回数では、ビジネスフルキーボードの方が多い。ただし、ビジネスフルキーボード利用時に第2ステージでタイプミスが多かった理由は、記者の苦手な英数字入力が多かったから。逆に考えると、誤入力でタイムをロスしても、一般的なキーボードを上回る結果を残したわけだ。

7万円で買いか?

 さすがに7万円は伊達じゃない。総合的に考えると、一般キーボードよりも使い勝手に優れていた。

 数字入力の業務が多いなら、個人でも、テンキー周りのデザインを重視するこのキーボードを選択肢に入れるのはありだと思う。ただ、文字入力中心の業務なら、懐具合によるのでは。

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