ATIが主催する国内PC業界結束強化イベント──PCI Express Kick-Off

» 2004年07月02日 02時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 7月1日、ATIテクノロジーズジャパンが東京で開いた「PCI Express Kick-Off」イベントは、インテルが立ち上げたPCI ExpressとATIが投入するネイティブ対応グラフィックスカードの優位性をアピールするがその主たる目的。

 登壇したATIテクノロジーズジャパン代表取締役社長の黛登氏のメッセージや、ATI Technologies デスクトップビジネスマーケティング上級副社長のリック・A・バーグマン氏のキーノートで示されるスライドの内容は、先月行われたCOMPUTEX TAIPEI 2004や国内向け製品発表会で繰り返し紹介された「これからは"Visual Age"ともいうべき第4世代コンピューティングの時代」と、PCI Expressネイティブ対応の「RADEON X800」「RADEON X600」「RADEON X300」の性能を示すメッセージ。

ATIテクノロジーズジャパン代表取締役社長の黛登氏「きょうはPCI Expressの意義、パートナーの方針や考えを聞いてほしい」

 そこには、今回、注目すべきアップデートされた情報はとくに含まれていない。「PCI Express Kick-Off」はサブタイトル「Driving the PCI Express Transition throuh Partnerships」のとおり、業界全体で「PCI Expressを盛り上げる!」という、いわばインテルとATIを軸にしたパートナーシップの結束を強めるためのイベントといってもいいかもしれない。

ATI Technologies デスクトップビジネスマーケティング上級副社長のリック・A・バーグマン氏「PCI Expressの双方向転送は安定性と拡張性をもたらし、AGPでは不可能なHDクオリティのゲームなどの新しいアプリケーションの可能性を開く」

 それを象徴するように、PCI Expressを推進するインテルのみならず、PCパーツベンダーのイベントにはあまり姿を見せることのない、NEC、富士通といった国内大手PCメーカーもゲストスピーカーとして登場。

 「これからのPCはデジタルホームの実現に向かう」「そのために、PCI Expressがもたらす強力なグラフィックスパフォーマンスが必要になる」という、インテルとATIの主張に賛同するメッセージを、NEC、富士通それぞれの事情に「カスタマイズ」しながら、熱く語っていたのが印象的であった。

インテルマーケティング本部 取締役本部長のケビン・セラーズ氏「PCI Expressはデジタルホームにおいて、コンテンツのデジタル化に大きく影響を及ぼす」
NECパーソナルプロダクツ執行役員常務の増田博行氏「PCは新三種の神器の影響で伸びが鈍化している。しかしそれに負けないような付加機能で挑んでいく」
NECの「ホームデジタル」構想で必要とされるPCの機能とは「デジタル放送対応」「高画質映像」「静音」といったAV性能と「PCI Express」による高性能グラフィックス性能だ
富士通パーソナルシステム事業部事業部部長の齋藤邦彰氏「自社PCに搭載したRADEON X300 SEとPCI Expressで"鬼に金棒"という気分」
富士通が示したPCI Expressへの移行速度。従来予想していたよりも早く、2005年中には完全にPCI Expressへの移行を完了すると予測している

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