メーカーの発表によれば、EOS Kiss DigitalでBP-511では603枚撮影できるところ、My battery Proでは2155枚撮影できたという。そこで、放電性能を「EOS Kiss Digitalの予備電池に関する一考察」で使用した環境でテストした。
約500mAの定電流放電テストはほぼ9時間かかっており、カタログ通りの電池性能があることが確認できた(グラフ参照)。ただし、発表データを見ても分かるように、公称容量はBP-511比で4倍あるが、公表撮影数は4倍未満(3.57倍)であり、先ほどの考察で言うところのt2比もこれに近い3.20倍であった。これは取り付けケーブルなどによる内部抵抗成分がやや増しており、電圧降下があるためだろう。グラフを見ると特に初期電圧が低いことが読み取れる。
表1■バッテリーの定電流放電(約500mA)における放電時間(t1時間順ソート)
型番 | t1 | t2 | t3 | 公称容量 |
---|---|---|---|---|
BP-511 | 128 | 104 | 50 | 1100mAh |
BP-511A | 156 | 131 | 66 | 1390mAh |
My Battery Pro | 537 | 333 | 140 | 4400mAh |
My Battery Proについて、今回はBP-511対応のDC Coupler Type Cを中心に紹介してきたが、デフォルトで用意されているコネクタでも対応している機種も豊富なので、機種を交換しても使える汎用性が魅力だ。
JTTからはもうひとつ「My Battery JET」という製品の試作品を借りた。これはMy Battery Proほどの容量を必要としない製品向けのもので、容量は2200mAh、電圧は5.0/4.2/3.2ボルトの安定化出力のみとなっている。余談だが、本体には白色LEDがついており、ポータブルライトとしても使用できる。
My Battery JETについては、今回は仕事場でのBGM環境となっているクリエイティブメディアの「NOMAD MuVo2」(4Gバイトモデル)で使ってみた。NOMAD MuVo2の内蔵電池の容量は公開されていないが、公称14時間使える。My Battery JETを接続して連続再生したところ、丸2日の連続再生が行え、朝になったら電池が切れていた。
これもテスト環境でチェック(放電終了電圧を変更)したところ、内部の電圧変換にDC-DCコンバーターを使用しているようで、公称容量よりも長時間の再生が可能であった。
表2■My Battery JETの放電時間(500mA連続放電)
電圧 | 放電時間 |
---|---|
5.0ボルト | 384分 |
4.2ボルト | 446分 |
3.2ボルト | 539分 |
My Battery JETのほうは8月末発売のようだ。これらの電圧に対応するデジカメを持っているユーザーで、長時間撮影する場合には必需品となるだろう。
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