AV機能を強化した新ブランドノート──東芝 dynabook Qosmio E10/1KLDEW(1/2 ページ)

» 2004年08月02日 12時45分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

 東芝の新ノートPC「dynabook Qosmio」はAV機能に焦点を当てた新ジャンル製品だ。第1弾となるE10は3モデルが用意されているが、今回は最上位のdynabook Qosmio E10/1KLDEWを評価した。予想実売価格は26万円前後で8/6より出荷される予定。

dynabook Qosmio E10/1KLDEW

 「dynabook Qosmio」という名称からQosmioというのはサブブランドに属するように思えたが、筐体を隅から隅まで探してようやくdynabookロゴを発見した。目に入りやすい液晶正面にあるのはQosmioのロゴ、そしてその左にTOSHIBAロゴがあり、danabookの名称は片隅に追いやられた感がある。

 今回登場するE10シリーズは3モデルで構成され、最上位のE10/1KLDEWのみがPentium M 715(動作クロック1.5GHz)を、ほかは動作クロック1.4GHzのCeleron M 330を搭載している。クロックの差はあまりないが、E10/1KLDEWはL2キャッシュ容量が2MバイトのDothanコアなので、それなりのパフォーマンスアップが期待できる。

 E10/1KLDEWとほかの2モデルの違いはCPU以外に、100BASE-Tと56Kモデムに加えて802.11b/gとBluetoothまでサポートする充実したネットワーク構成が上げられる。これで2万円程度の実売価格差ということで、上位モデルのお買い得感は高い。

 バリュークラスモデルのE10/1JCDTはグラフィックスチップが上位2モデルで搭載しているGeForce FX Go 5200ではなく、Intel 852GM内蔵を利用。それ以外にも、E10シリーズの特徴ともいうべき高輝度液晶パネルやD端子出力などの、高画質が実現する機能も削られている。ミドルレンジとバリュークラスモデルの価格差も2万円程度に想定されているので、バリューモデルがコストパフォーマンス的にやや苦しいと評価せざるを得ない。

 これ以外の部分では、3モデルの基本スペックは同一で、256Mバイトのメモリ容量、HDDは80Gバイト、光学ドライブはスーパーマルチDVDとなっている。ノートPCとは言え、メインメモリはもう少々欲しいと感じるが、E10はメモリスロットを2基用意しているので、最大2GBまで増設が可能になっている。

メモリスロットは2基搭載しているが、標準状態で一つのスロットは埋まっている

15インチ液晶パネルは600カンデラ/平方メートルの超高輝度

 Qosmio E10最大の特徴は600カンデラ/平方メートルの超高輝度液晶パネルといってもいいだろう。これはバックライトを2本搭載することで実現しており、最大輝度にすると、筆者は普段使用しているCRTよりも明るく、まぶしいほどだ。もちろん、輝度は8段階に変更できるようになっている。

製品発表会で展示されていたE10/1KLDEWの液晶パネルに映し出されていたデモ画面

 低反射コートが施されたツルツル液晶で発色も鮮やか。いわゆるツルツル液晶はAV再生用途に向いているといわれている反面、15インチクラスならば1280×1024ドット以上の解像度が欲しくなる。またAV用途、とくにDVD-Videoの鑑賞ならば4:3比率ではなく、16:9のワイドパネルが望まれるだろう。

 東芝によると、E10はQosmioブランドの第1弾であるが、年末までにはQosmioブランドでも15.4/17インチワイド液晶モデルが登場する予定となっている。

 外部端子も特徴的だ。S/コンポジットビデオ出力はこのクラスでは決して珍しくないが、上位2モデルはD1/2対応の出力端子を用意しており、大型TVなどに高精細画像が出力できる。また、東芝のノートPCではすでに使われているharman/kardonステレオスピーカーは30ミリとこのクラスでは大口径に属するものを採用している。

 また、PCでのキャプチャー処理と並行した再生表示はどうしても信号の入力から表示までにタイムラグが生じるが、E10では「モニタ入力機能」でこの問題を解決している。

 [Fn]+[4]を押すとこのモードとなり、全画面表示で「コンポジットビデオ再生」が行われる。この表示モードは入力信号を直接表示するので、PCでもコンポジット入力の液晶ディスプレイとほぼ同等の再生となる。エンコードが関与する再生モードでは、場合によって多少のズレが生じてしまうなどその差は歴然としている。

 ただし、入力切替の説明がやや分かりにくいうえ、入力信号がコンポジットのみでS端子はサポートされない仕様にやや不満を感じる。

充実のインタフェース仕様。画像関係の入力はS/コンポジット/TVアンテナで、出力はSビデオ/D1&2/15ピンとなっている
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