Intelの2つのコンピュータ仮想化技術、違いは何か?(2/2 ページ)

» 2004年09月08日 23時56分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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 ここから先は推測となるが、おそらくLTとVTは同一の技術基盤を用いて実現されると考えられる。LTはセキュリティ技術だが、LTにおけるセキュアモードは「Ring -1」とも呼ばれ、OSカーネルの動作する「Ring 0」よりも低位にある、従来のx86ソフトウェアからはアクセスできない領域のソフトウェアで実現される。同様にVTもRing -1の中でVirtual Machine Monitorと呼ばれる一種の仮想PCソフトウェアが仮想マシンのスイッチを行い、I/Oや割り込みの切り替えを行うと考えられる。

 Longhornがセキュリティ技術「Next-Generation Secure Computing Base」(NGSCB)の中でLTをサポートする見込みであることから、Longhorn内部にはRing -1を利用するための何らかのドライバモジュールが組み込まれるはずだ。そのモジュールは、基本的にLTとVTとで共有されるだろう。両者ともLonghornとともに実現されるというのは、決して偶然ではないと思われる。

 かねてからIntelは、Virtual Machine MonitorをIntel自身が提供することはないと話している。しかしその一方で、LTが利用するRing -1にサードパーティのソフトウェアが入り込む余地もないはずだ。となれば、LonghornのVTサポート機能がVTとエンドユーザープログラムとの間をつなぎ、Longhorn上で動作する何らかの仮想PCソフトウェア(「VMware」や「Virtual PC」)からVTの機能にアクセスできると考えるのが自然である。

 Intelは初期のVTに関して「VMwareやVirtual PCを、より高速、より堅牢に実行するためのプロセッサ側からのアプローチ」とも話してきた。それらと同じように、ホストOS(Longhorn)の上で、仮想PC上の他OSを動かす形になるはずだ。

 しかし、サーバ向けのSTではこのアプローチは採りにくい。ホストOSとしてLonghornを利用すると、その上で動作するすべてのゲストOSが、ホストOSの堅牢性に依存してしまうことになる。

 むろん、何らかの管理ソフトウェアが無ければ、複数の仮想マシンを作り出し、それらのリソースを動的に再配分するといった、バーチャルコンピューティング機能は実現できない。しかし、仮想マシンの下で動くソフトウェアは小さければ小さいほど良く、そこにLonghornを使うのは得策ではないのは明らかだ。

 ここで浮かび上がってくるのが、EFIの存在である。EFIについては、その32ビット版が開発されることなどを以前のIDFレポートで記事化しているが、BIOSの代わりにマシンのブートプロセスを実行するソフトウェアのことだ。

 Intelの32ビットアーキテクチャは、伝統的に互換性を保つため、IBM PC以来の起動プロセスを守っており、その上で動くOSはすべてその作法を守って開発されている。しかし必ず16ビットモードから起動しなければならないBIOSブートには問題も多く、現在はEFI32の開発が進められている

 しかし、過去との互換性を求められないIA-64マシンは、古くからのBIOSに依存したブート手順ではなく、EFIと呼ばれるソフトウェアが用いられてきた。もしも、EFI内にSTを実現するためのVirtual Machine Monitorが組み込まれれば、ホストOS利用せず、すべてのOSが仮想マシン上で実行される環境を創り出すことができる。

 つまり、過去との互換性をより重視する必要があるデスクトップPCでは、BIOSブートでも利用可能なホストOSを必要とするVT、そしてEFIを用いるIA-64システムはもちろん、32ビットでもEFI32への移行が比較的容易と考えられるサーバ分野はSTとなるのではないか。

 もっとも、ひとりのユーザーが切り替えて利用することが多いと考えられるVTと、サーバに利用するSTでは、求められる性能も異なるだろう。特にI/O性能に関して、どのようにパフォーマンスを引き出すつもりなのか。STに関してはまだまだ謎が多く残っている。

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