薄型軽量ではあるが、最軽量ではない(100グラムは越えてしまっている)。でもその分、ボディの材質はいい。すごく高級感がある質感で、「ファイン・ブラスト・トリートメント」という処理を施したステンレス製。レンズ部のデザインも重厚なメカっぽくてなかなかだ。
ユーザーインタフェースはEXILIM ZOOM系とまったく同じで、小型化したからといって犠牲になった箇所はない。これは素晴らしい。
上面には電源スイッチとシャッターボタンがある。どちらのボタンもすごく細長いところが薄さを強調している。
背面にはお馴染みとなった、ダイレクトオン・オフ機能付の再生・撮影ボタンがある。他のEXILIMではアイコンに再生は緑、撮影は赤が塗られているのだが、S100ではデザイン重視で色はなしとなっている。
これだけ小さなサイズながら液晶モニタは2インチ。ただし光学ファインダはなし。英断であろう。
モニタの右側にはズーム、十字キー(円形ではなくて角が丸い四角で、中央にOKボタンがある)、メニュー、ディスプレイという馴染みの構成だ。
しっかりとリアルタイムヒストグラムもあるし、撮影機能も上位モデルと変わらない。小さいからといって機能面での割愛がないのは素晴らしい。EXILIM Z55と同様に、ビジネスショット機能もしっかり持っている。
バッテリーは3.7ボルトの680mAhと薄型のものを採用したため、撮影枚数はCIPA規格で180枚にとどまっているが、それでも薄型コンパクト機としては優秀な方だ。このあたりはさすがである。
記録メディアはSDメモリーカード。底面のカバーをあけて出し入れするが、本体が薄型なだけに出し入れしづらい。メディアは入れっぱなしにして、普段はクレードルで充電、クレードルで画像転送と、カバーは開けない使い方が向いている。
底面で注目すべきは、三脚穴があること。超薄型デジカメで最初に犠牲になるのはやはり三脚穴だったりするしそれまでのカードタイプEXILIMにもなかったのだが、S100では見事に三脚穴を搭載してきた。このあたりにも、超薄型軽量のカード型を目指しつつも、コンパクトデジカメとしての機能は削らないというコンセプトが見える。
かくして、とうとうウエアラブルを標榜したカードサイズEXILIMも光学ズームモデルとなった。さすがに初期の固定焦点パンフォーカスモデルに比べると厚くはなったが、光学ズームデジカメとしては世界最小最薄で(重さは100グラムを越えるので最軽量ではない)、それでいて質感も機能も妥協がない。胸ポケットに入れて違和感がない、バッグの名刺入れ用ポケットにすっとおさまるスマートさは随一だ。
ただし、気になるのはレンズの暗さ。レンズが暗い分、オート感度だと増感されるケースが増えてしまう。価格も300万画素ズームコンパクトとしては高めだ。
でも超高画質を求めているわけじゃないからそのくらいは気にしない、超小型で常時携帯できて必要なときにさっと使える方が重要だ、さらに安っぽくない高品位な質感も重要だという人には是非手にしてもらいたい。ビジネスマン向けの機能も充実しているし、機能は削られてないのでその気になればけっこう凝った撮影もできるはずだ。
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