最近、カフェだのレストランだのでデジカメを取り出して料理を撮るって人がすごく増えてるらしい。いや、私もやってるんだけど。すみません。謝ることもないか。中にはケータイで撮った料理やらケーキやらをその場でメールして自分のブログや日記に載せる人もいる。それだけ料理って身近なもので、おいしそうだと記録に残したくなるものなのだ。
昔は料理を前にしてカメラを撮りだすとお店の人に「あ、あれは他の店のスパイか何かの調査か」と思われたというけど(本当かどうかは知らないが)、最近はそういう人が増えて不思議がられることもなくなったようだ。
そこで今回は、カフェやらレストランやら小料理屋やら定食屋でデジカメで料理を撮ろうという話。雑誌のグルメ系コーナーでは毎週毎週いろんな店の料理が紹介されていてきれいな写真が載っているけれども、あれはカメラマンが付いていってその場でちゃんとライティングして撮っているもので、コンパクトデジカメでふらっと入ったお店できれいに撮るのは無理。でもちょっと気をつけてやればそこそこおいしそうな写真は撮れるのだ。
とりあえず、ストロボは焚かないこと。たまにお店で焚いている人がいるけれども、暗めの閉じた空間でいきなり閃光がまたたくのだから目立つし、他のお客さんにも失礼。隣の知らない人がいきなり暗い店でストロボ焚いたりしたらびっくりするでしょ。だから撮る前に発光禁止になっていることを確認する。
そしてマクロモードにする。これを忘れるとピントが合わないのだ。マクロモード時はしっかり一番ピントを合わせたいところにピントが合うよう、半押しをしてピントが合ったのを確認してから撮るようにしたい。
この先はお店次第。明るくて外光が入っているようなお店なら、それを利用しない手はない。日差しが横から当たるような感じで撮ればそんなに凝らなくてもうまくいく。オープンカフェのランチだったら全然問題ない。パーティ会場のように明るい場所でもあまり気遣うことなく撮れるだろう。
でもほとんどのお店はそうじゃないはず。ランチじゃなくてディナーだったら特にそうで、たいていのお店は雰囲気を出すためにわざと暗めにしてたり赤っぽい照明だったりして、デジカメがけっこう苦手とする空間を作ってくれているのだ。
今回撮影にお邪魔した店は「コントワー松喜」という東京都世田谷区にあるフレンチ懐石のお店。フレンチと和食の合体って感じで、コースの前半は懐石風、後半はフレンチ風で箸でいただく。でもってとても美味なのだ。年に1〜2回しか行けないけれども、私のお気に入り店のひとつだ。
このお店はやや暗めでテーブルにスポットライトが当たっている。普段のお店の感じでってことで特に何の準備もなく撮らせてもらったので、撮影にはあまりいい条件じゃない。まあその方がリアルだし。
こういうお店で具体的に注意するポイントは3つ。
一つめは手ブレ。お店は暗いのでシャッタースピードも遅くなり、当然手ブレしやすくなる、というかいつものように撮っていては確実にぶれる。かといって三脚を立てるわけにもいかんわな。
そういうときはカメラを両手でしっかり持ち、テーブルに肘をついちゃおう。両肘をつけばそれなりに安定して手ブレしにくくなる。壁際の席なら自分が壁にもたれるのもいい。そして何枚も撮る。そうすれば1枚くらいぶれてないのがあるかもしれない。連写モードで連写するのもいい。そうすれば1枚くらいぶれてないのがあるかもしれない。実は近距離のマクロ撮影って手ブレしやすい(というより少しの手ブレがすごく目立つ)のだ。
こればかりは店の明るさ(たいていは座る席によっても違うのだ)によって変わってくるのでなんともいえないが、ISO感度をセットできるデジカメなら最低でもISO 100にしておかないと無理だろう。
シャッタースピードが表示されるデジカメなら、1/30秒程度が目安。それにはISO 200まで上げる必要があるかもしれない。ISO 400まで上げちゃうとノイズが出てきて料理がおいしそうじゃなくなってくるのが悩ましいところだ。もちろん上手下手はあるので一概にはいえないが、1/15秒だとなんとかOK。1/8秒だと何枚かとって手ブレしないのが1枚というのが目安か。
なお、蝋燭の灯りが目立つような渋いお店はもうすごく暗いので、料理を綺麗に撮るのは困難だと思ってください。こっそりミニ三脚を使うとかね。あまり暗いとピントも合いづらくて大変だが。
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