SuperXP Utilities Pro 2でパワーアップ:ネットワーク、HDDPCUPdate特別企画:PC環境最適化計画Part2

» 2004年11月30日 00時00分 公開
[ITmedia]

ネットワークを自動高速化する

 SuperXP Utilities Pro 2はインターコムが発売中の総合パソコン快適化ツールだが、便利な機能は他にもある。高速化という点ではパソコンそのものの高速化もさることながらネットワークの自動高速化設定機能が便利だ(図i-1)。

 特に古いOSは現在のブロードバンド、LAN環境に即していない設定となっており、ブロードバンド時代になった現在では、旧態然の設定では無理がある。そこで設定を変更する必要があるが、この設定変更はパラメーターの意味を理解して変更しないとかえってトラブル発生の元になる。

 SuperXP Utilities Pro 2はこれを自動で変更することができる上、特定のURLをターゲットに最適化する機能を持っている(図i-1)。特に旧来のOS(Windows 98/Me)には使いたい機能だ。たとえば会社などで旧OSを使用しているのであれば、このパフォーマンスアップは助かるだろう。上級者向けに個別パラメーターの設定変更が行えるのはもちろん、Windows 2000/XPではネットワークカードごとに設定を行うことができる(図i-2)。

(図i-1)いつも最初に開きたいサイトのトップページなどを設定するといいだろう
(図i-2)ネットワークカード別に設定できるようになっている

HDDの整理をシャットダウン時に行って速度アップ

 使いこんだパソコンが遅くなる原因はまだまだある。その中でも大きなウェイトを占めるのがHDDのフラグメントだ。メモリのフラグメントの話を前回行ったが、HDDもまた書き込みと消去を繰り返すと大きなファイルが連続した領域に書き込むことができず、分割して書き込むことになる。これは読み出し時に時間のかかるシーク動作を必要とすることになり、HDDの速度は見かけ上遅くなってしまうのだ。

 これを解決するのがデフラグ、つまりフラグメントを解消するツールだ。これはWindowsにも入っているが、特に使い込んだHDDのデフラグは時間がかかり待っているだけで退屈だ。就寝前に実行するとデフラグが終了してもパソコンの動作が続いてしまい電気の無駄だ。SuperXP Utilities Pro 2はシステム最適化の際に電源を切るアイコンをデスクトップに作成し、これを併用することによってシャットダウン前にデフラグを行うことができる。つまり、デフラグ→電源オフが自動でできるので効果的だ(「電源を切る」を選択して自動的にパソコンの電源が切れる必要があるが、現在のパソコンはまず問題ない。図d-1)。

(図d-1)シャットダウン直前のほかに、日/週/月単位の設定もできる

定期的なHDDメンテナンスで快調さを維持

 定期的なデフラグを行うことによってパソコンの速度を維持できるわけで、車の洗車同様、マメに行うのがよいだろう。SuperXP Utilities Pro 2を使うことで意識せずに解決できる。なお、パソコンの不調の原因となるシステムの不要なファイルを消す「ワンクリック全自動クリーナー(図d-2)」も、シャットダウン時にデフラグと一緒に実行するように設定できる(図d-3)。

(図d-2)「ワンクリック全自動クリーナー」は単独でも起動可能。無効なレジストリやインターネットのキャッシュ、履歴、その他の不要ファイルを一気に消すことができる
(図d-3)日々のメンテナンスをまとめて自動化する設定が可能

壊れると被害甚大!その前にバックアップ

 パソコンは壊れると被害が大きい。OSやアプリケーションはインストールCDがあるので問題がなくても、二度と手に入れることのできない貴重なデータが消えてしまうとショックが大きい。日ごろからのバックアップの習慣をつけておきたいところだ。

 SuperXP Utilities Pro 2には特に問題となりがちなマイドキュメントとメールのデータ+アドレス帳、IEのお気に入りのバックアップが簡単に行える。バックアップドライブは選択できるので、USBの外付けHDDを取り付けて保管しておくとよいだろう。また、これも電源を切るアイコンをクリックした時に自動実行することができる(図b-1)。

(図b-1)別途バックアップソフトを用意する必要もない

 システムドライブとデータドライブを完全に分離してバックアップを容易にすることは上級者がよく行うテクニックだが、このための再配置設定も簡単に行える(図b-2)。データドライブを分離しておくと、将来のシステム更新のときにも移行が容易になるメリットがある。

(図b-2)1つのHDDをパーティーションで分けてもいいし、別途HDDを増設してもいいだろう

HDDが壊れる日を予知できるHDD診断ツール

 ここでパソコンが壊れる可能性が最も高いのがHDDだ。言うまでもなく、大量のデータやプログラムが入っており、トラブルの際の被害が大きいだけでなく、内部に回転する磁気盤が入っているため、機械的なトラブルも発生する。

 現在のHDDにはS.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology System)という故障予知に必要な機能をサポートしている。簡単に言ってしまえば機械的なトラブルで突然動作不能になるケースは少なく、その前に予兆がある。S.M.A.R.T.はHDDの状態をモニタして、致命的なトラブルが起きる前に感知するためのメカニズムだ。

 SuperXP Utilities Pro 2ではハードディスク診断という機能が新たに用意され、このS.M.A.R.T.を使ったハードディスク診断を自動的に行うことができる(図h-1)。この画面ではHDDが良好であることを示しているが、さらにドライブの残量もチェックしており、空き容量が減った場合に警告を出すことができる。さらにトラブルの原因になりやすいドライブ温度モニタ機能も用意されており、放熱をあまり考えずに作成した自作機でおきやすい過熱による寿命低下もチェックすることができる。

(図h-1)ドライブの温度チェックをしておきたいなら左下をチェック

 上級者向けにはより詳しい設定(図h-2)とS.M.A.R.T.の各パラメーター表示(図h-3)も用意されている。

(図h-2)イベントログを保存しておくことも可能だ
(図h-3)東芝の2.5インチHDDでパラメーターを表示してみた

まさに総合快適化ツール

 SuperXP Utilities Pro 2はこのようにパソコンの操作をよりよくするためのツールが各種含まれた統合ツールキットとなっている。個別の機能はフリーソフトやシェアウェアでも提供されているものが多いが、ダウンロードして、設定して……と面倒な手順が増えるが、SuperXP Utilities Pro 2では一まとめになっているので問題ない。もちろんフリーソフトにはない、操作性や機能、サポートもあるので、初心者にはありがたい内容だ。

 また、初心者だけでなく、細かなパラメーター調整を行いたい中・上級者にも配慮した構成となっており、使いこなしていくのも楽しい。パソコンの総合的なメンテナンスを行うのに、あると便利なパッケージとなっている。

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