機能と性能、使い勝手が高いレベルで融合した複合機――PM-A900(1/3 ページ)

» 2004年12月08日 08時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

 「PM-A900」はセイコーエプソンの気合いが入りまくりの複合機だ。スペック面での妥協もなく、何よりスタンドアロンでできることが豊富なのは、複合機としてはとても重要なポイント。ボタン類と液晶メニューの構成も使いやすく、筐体設計上でも細かい配慮がちりばめられている。

画像 セイコーエプソンの複合機最上位モデル「PM-A900」

 プリントエンジンはシングルファンクション機の新モデル「PM-G820」相当だ。染料インクの6色(CMYBk、ライトCM)を使い、最小1.5ピコリットルで印刷する。染料系のプリントエンジンとしては最上位のものだ。

 インクカートリッジは全色独立で、本体前面からセットする構造になった。前面下部の左右にインクの装着場所があり、左右で3色ずつに分かれている。カバーを開けて任意の色を交換できるので、メンテナンス性がよい。一般的な複合機のように、本体の上部をガバッと持ち上げなくていいので、とてもスマートだ。

 ただ、インクカートリッジから印刷ヘッドまでインクを送るチューブが長いためか、ポンプの動作音が大きい。インク交換時や印刷時だけでなく、アイドル時でも突然ポンプが稼働する場合があり、使い始めはちょっと驚くかもしれない。

画像 インクカートリッジは前面からセットする
画像 このためインクカートリッジは独自のタイプ

 スキャナ部のセンサーには光学3200dpiのCCDを採用する。CCDの1画素ごとにオンチップマイクロレンズを配置し、感度を高めた「α-Hyper CCD」だ。フィルムスキャンにも対応しており、35ミリネガ/ポジの6コマスリーブ×1列か、マウント×4コマを同時にセットして連続スキャンが可能だ。付属のフィルムホルダは,使わないときは原稿カバーの内部に収納しておける。

 セイコーエプソンのフラットベッドスキャナで当てはめるとすれば、「GT-9400UF」に相当する。GT-9400UFは2004年秋にカタログ落ちしたが、スペック的にはまったく不満はない。

画像 フィルムスキャン用のフォルダはカバー内部に収納可能

 本体はそれなりに大きいものの、高さが割と低いので思ったより圧迫感は感じない。運用に必要な奥行きは実測で約65センチくらいだ。インタフェースはUSB2.0(Hi-Speed対応)だ。また、オプションで赤外線通信のインタフェースカードとBluetoothユニットが用意されている。

 給紙は背面フィーダと前面トレイのダブル給紙となっているのも便利だ。前面トレイはA4普通紙専用だが、最大で150枚までセットしておける。はがきやフォト用紙は背面フィーダに給紙するので、実用上は何の不便もない。残念ながら、自動両面印刷の機能は持っていない。

 CD/DVDレーベル印刷も可能だ。専用トレイガイドが内蔵されており、前面の排紙口にある「▲」マークを押すと、トレイガイドが前方にスライドしてくる。専用トレイにCD/DVDメディアをセットし、トレイガイドに差し込んで準備完了だ。シングルファンクション機の手順よりも分かりやすく、洗練されたセット方法といえるだろう。

画像 トレイガイドをスライドさせ、専用トレイをセットすることでレーベル印刷できる

 ダイレクト印刷の手段は、メモリカードとデジカメ直結だ。メモリカードスロットは5スロットあり、全部で13種類のメディアに対応する。miniSDカードやメモリースティックDuoなどの小型メディアにはアダプタが必要だが、xDピクチャーカードはそのままセット可能だ。デジカメ直結は、標準規格のPictBridgeとセイコーエプソン独自のUSB DIRECT PRINTに対応する。

画像 メモリカードスロット部

豊富な機能と良好な操作性。2.5インチのPhotoFine液晶もキレイ

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