PM-A900の機能はまさにてんこ盛り。コピー機能から見ていくと、拡大縮小の定型倍率とレイアウトが多彩だ。定型倍率のベースとなる用紙サイズは、L判/2L判/六切/ハガキ/A4で、おもに写真サイズを重視していることが分かる。定型倍率にはB5も用意してほしかったが、用紙サイズをB5に設定した自動の拡大縮小(フィットページ)か、手動倍率で代用できる。
基本レイアウトは、上下左右の余白が3ミリの「標準」と1.5ミリの「ギリギリ」、および四辺フチなしコピーだ。CD/DVDレーベルのダイレクトコピーもできる。
詳細メニューンの「レイアウト拡張」からは、名刺などの原稿を1枚の用紙に複数配置(4/9/16枚)するリピートコピー、ポスターコピー(4/9/16倍)、2枚/4枚の原稿を1枚の用紙にコピーする割付、左右反転のミラーコピー、ミニフォトシール(16分割)も利用可能だ。また、プリント写真を原稿台に最大で3枚まで並べて、L判/2L判にコピーする機能も重宝する。
メモリカードダイレクト印刷は、基本的には画像を1枚ずつ液晶モニタでプレビューしながら、各画像に対して印刷枚数を決めて最後にプリントするだけだ。デフォルトはL判フチなし印刷だが、2L版/六切/ハガキ/A4サイズの指定と、フチなし/フチあり/用紙の上半分というレイアウト選択もできる。
そのほか、複数画像(2/4/8/20コマ)の割付印刷、トリミング&拡大印刷、シール印刷、名刺/カード印刷、アイロンプリントなども可能だ。選択した画像をCD/DVDレーベルに印刷したり、CDケースのジャケットを作成する機能もある。
また、マークシート式インデックスの「オーダーシート」も利用できる。メモリカードに大量の画像がある場合は、すべて、最新の30枚、最新の60枚という3パターンのいずれかを選ぶ。こまめに印刷するような人は、最新の30枚にすることで用紙とインク、時間の節約になる。
さらに特徴的なのは、オーダーシートと同じ原理の「手書き合成シート」だ。メモリカードから1枚の画像を選択し、手書き合成シートを印刷する。所定の場所に好きな文字やイラストを描いてスキャンすると、選択した画像に手書き文字/イラストを重ねて印刷する仕組みだ。PCと各種アプリケーションほどの自由度はないが、ちょっとした作品やはがきなら十分きれいに仕上がる。スタンドアロンでここまでできるのだ。
フィルムスキャンでもダイレクト印刷が可能だ。メモリカードのダイレクト印刷とほぼ同じだが、レイアウト機能がトリミング&拡大印刷のみとなる。
そのほか、反射原稿やフィルムをスキャンして、メモリカードなどダイレクト保存する機能が意外と役立つ。また、メモリカード内の画像も外付けのCD-RWドライブや記録型DVDドライブ、MOドライブに直接バックアップできる。対応する外付け製品は少なく(セイコーエプソンの対応情報を参照)、増加もあまり期待できないので、オマケ的な機能と考えておいたほうがよい。
操作性も優秀だ。まず、2.5インチの液晶モニタには、セイコーエプソンが誇るPhotoFine液晶を採用。解像度が高く(ドット密度が高い)、文字のジャギーが見えないくらい精密な表示だ。輝度とコントラストも高いので、写真のビューワーとしても非常に気持ちよい画質である。
ボタン類は、液晶モニタの左側がモードボタン、右側が操作ボタンだ。モードボタンでは、コピーやメモリカード、スキャン、各種設定といった動作モードを決める。右側の操作ボタンは、4方向ボタンとOKボタン、戻るボタン、+/−ボタンがメインだ。動作モードと液晶メニューによっては、詳細メニューボタンと表示切替ボタンも機能する。
液晶メニューの構成も分かりやすく、特にコピー設定のほとんどを1階層目で行える点がよい。また、メモリカード画像の表示では、1枚表示と9コマのインデックス表示を切り替えられる。ダイレクト印刷時にも、9コマインデックスで各画像の印刷枚数を設定できるのは、とても使いやすい。
メニューを全体的に見ればそれほどシンプルな構成ではないのだが、ユーザーインタフェースと操作ボタン類のおかげで扱いやすく仕上がっている。
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