PrescottコアCPUなど、最近のCPUは非常に熱を発するため、その冷却をどうするかが自作ユーザーの大きな悩みにもなっている。
そこでSST-TJ06には「ウインドトンネルテクノロジー(Wind Tunnel Technology)」という技術が採用されている。
ずいぶん仰々しい名前が付いた技術であるが、これは何かというと、前面と背面に12センチファンが取り付けられ、筒状の透明な樹脂製カバーを用いることで“エアダクト”をケース内に設置する仕組みとなっているものである。フロントより吸引された空気でCPUクーラーを経由してCPUを冷却をし、排熱はこのエアダクトを通って直線的に外部に排出される。
この前後に設置されるファンは、12センチものだけに低速(2200rpm)で回転しても大きい風量が得られ、静音性も確保できる。
ここで注意深いユーザーなら気が付くだろう「フツーのケースと何が違うの?」と。
違うことは「直線的に」という部分である。SST-TJ06はマザーを通常のケースとは逆さまに設置し、CPUソケット部分がケースの下部に来るようになっているのである。
エアダクトの中を空気が動くわけだから、これ自体が大きな冷却システムだ考えることもできる。そこでファンレスCPUクーラー「SST-NT01」の出番がやってくる。
SST-NT01は、上部の銅製ヒートシンクとCPUプレート部分が分離されており、それらはヒートパイプで接続されている。ファンレスながらPentium 4/3.20GHz以上でも使用可能としている。
通常設置スタイルケースでは冷却ファン設置が必要と思われる(6センチファンが設置可能)が、SST-TJ06と組み合わせることでファンレスで直線的にエアフローが確保できる。
SST-TJ06は、CPUの真上に設置するタイプの普通のCPUファンでももちろん使用できるが、この場合、直線的なエアフローがここで崩れてしまう。数値的には定かではないが、効率は落ちることだろう。SST-NT01はSST-TJ06と組み合わせることで効果を最大限に発揮するといっても過言ではないため、どうせならお値段据え置きで同梱していただきたいものである。SST-NT01の市場価格は6000円前後となっている。
CPU以外の冷却は、本体のダクト上部にCPU用のエアダクト用とは別に8センチファンが設置され、電源ユニットより排出される仕組みだ。
ここも特徴的で、電源ユニットの下部にはHDDユニットベイがある。内部の空気はHDDを冷却してから電源ユニットへ吸い込まれるようになっている。
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