dx6100 ST/CTシリーズには、複数のセットモデルが用意される。原稿執筆時は、シャープやナナオといった定評あるディスプレイメーカーの製品をセットにしたモデルをはじめ、ATI RADEON X300 SE(グラフィックスメモリーは128Mバイト)を搭載したグラフィックスカードと、3本のオンラインタイトルをバンドルしたカスタムメイドGamingモデル、そしてTVキャプチャーカードを内蔵した評価機のカスタムメイドTVモデルが選べた。
カスタムメイドTVモデルの特徴は、エルザ製のロープロファイルTVチューナーカードELSA EX-VISION 1500TVを標準で採用していることだ。小柄なカードながら、ハードウェアMPEG2エンコーダーの実装はもちろん、3次元Y/C分離やゴースト軽減といった画質改善機能を持つ。また、TV番組のチャンネル変更、録画や再生がワンタッチで行なえる赤外線リモコンも標準で付属しており、ハードウェアの仕様に不満はない。
一方、使い勝手を大きく左右するTV視聴/録画ソフトにはINFO.TV Plusを採用する。1つのウィンドウ内でTV番組の視聴や録画、録画ファイルの再生に加え、インターネット経由で番組データを受信するADAMS EPG Plusを使った番組表がシームレスに切り替えられるのがウリだ。オンスクリーンディスプレイでの操作が可能で、ライブ映像と録画映像を同時に表示するピクチャーインピクチャーや、キーワードによる番組の自動検索やおまかせ録画機能、携帯電話やPC経由で外出先からの録画予約にも対応(reserMail)するなど、なかなか多機能だ。別途ユーザーがコーデックをインストールすれば、ソフトウェアエンコードに切り替えられるのもポイントが高い。
非常に多機能なアプリケーションであり、録画の品質や使い勝手も満足できる。ただ、惜しむらくは録画した番組の編集(CMカットなど)やオーサリング作業には、別途Easy CD Creator 6 Basic Editonを立ち上げる必要がある。このような連携不足はサードパーティーとのコラボレーションではよく見られることであり、今後の改善を期待したいところだ。
とはいえ、TVチューナーを内蔵したディスプレイをCTOメニューで選べば、2番組同時視聴が可能になったり、ATI RADEON X300 SEを搭載したPCI Express x16対応のグラフィックスカードを追加すれば3Dゲームを楽しめるようになったりと、好みに応じてパーツをカスタマイズできる自由度の高いメニューは歓迎できる。細かいところでは、標準で地図ソフトのProAtlas W3 for HPと、はがき作成ソフトの筆王 for HP、そして乗換案内といった個人用途に適したソフトウェアが付属しているのも見逃せない。
実用十分なシステムにAV用途を付加しながら、23インチ液晶TVが付属した評価機の構成で239,400円というプライスパフォーマンスもなかなか魅力的だ(ちなみに、TV機能を省いたシンプルなモデルでも購入ができる)。よりコストパフォーマンスを重視するならば、Intel 865GVチップセットを備えた下位モデルのHP Compaq Business Desktop dx2000 ST/CTをベースに考えたほうがよいだろう。
折り紙付きのシステムに、サードパーティーの高品質な製品を組み合わせることで製品価値を高める手法を取ってきたHP。液晶ディスプレイや液晶TV、TVチューナーカード、グラフィックスカードとゲームソフトのバンドルと、個人ユースに特化したパッケージを続々と提供している同社の次の一手に注目したい。
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