「Digital Photo Professional」で、イメージ通りの色を再現キヤノン「PIXUS iP9910」のすべて(2/3 ページ)

» 2005年03月03日 00時00分 公開
[林利明(リアクション),ITmedia]

DPPの印刷操作とPIXUS iP9910のドライバ設定

 DPPからPIXUS iP9910で印刷するときは、印刷したい画像を選択して「ファイル」-「印刷」を実行する。複数の画像を選択して、まとめて印刷することも可能だ。その際には、PIXUS iP9910のドライバ設定が非常に重要となる。

 ドライバのデフォルト設定では、印刷の「色」を管理するのはドライバだ。しかし、DPPを使ってカラーマネジメント出力する場合(DPPの「環境設定」で印刷用プロファイルを指定した場合)は、印刷の「色」はDPPが管理することになる。

 しかし、この状態でドライバのデフォルト設定のまま印刷すると、色の管理が二重に発生し、出力される色に狂いが生じてしまう。つまり、DPPを使ってカラーマネジメント出力する場合は、ドライバの色調整を無効化しておく必要があるのだ。

 ドライバによる色調整の無効化は、DPPの「印刷」ダイアログからPIXUS iP9910のプロパティを開き、「基本設定」タブを図3のように設定する。

図3:PIXUS iP9910のドライバ設定

(1) 用紙の種類

 用紙の種類は、DPPの環境設定で指定したICCプロファイルに合わせる。今回は「Canon iP9910 PR1」というICCプロファイルを使うので、用紙の種類は「プロフォトペーパー(プロフェッショナルフォトペーパー)」だ。

(2) 印刷品質

 印刷品質も同様に、DPPの環境設定で指定したICCプロファイルに合わせる。「Canon iP9910 PR1」プロファイルの印刷品質は「品位1」なので、ドライバ設定では「きれい」を選択する。「カスタム」を選択して「設定」ボタンをクリックすると、印刷品質の詳細を確認できる(図4)。ドライバプリセットの「きれい」が「品位1」、「標準」が「品位3」だ。

図4:「カスタム設定」ウィンドウで印刷品質設定の詳細を確認できる

(3) 色調整

 色調整がもっとも重要だ。「マニュアル調整」を選択して「設定」ボタンをクリックする。「マニュアル色調整」というウィンドウが開くので、「マッチング方法」を必ず「しない」に設定する(図5)。カラーバランスも調整しない方がよい。

図5:「マニュアル色調整」ウィンドウで、必ず「マッチング方法」を「しない」に設定しておく

カラーマネジメント出力で、撮影時のイメージ通りの色を再現

 では、DPPとPIXUS iP9910でカラーマネジメント出力(以下、DPP出力)した色表現をチェックしていこう。第1回でも述べたように、PIXUS iP9910は階調表現能力が高く、インクの粒状感も無視してよいレベルだ。今回は発色メインで評価し、分かりやすいように「Easy-PhotoPrint」からのデフォルト出力(以下、EPP出力)と比較しながら進めてみたい。

 DPP出力で真っ先に感じたのは、発色と階調がとても自然だということだ。EPP出力より若干コントラストが控えめになり、中間調の深みが増す。

 コントラストが低いといっても、黒は黒、白は白としてきちんと表現されており、シャドウ寄りとハイライト寄りの階調も問題ない。トーンカーブでいうと、EPP出力のS字傾向に対して、DPPはフラットに近い印象だ(カラーマネジメント出力なので当然ではある)。

 一見するとEPP出力のほうが見栄えがするが、DPP出力と並べてじっくり観察していると、DPP出力の自然で柔らかい雰囲気の方が好ましく思えてくる。撮影時のイメージを再現するという観点では、やはりDPP出力が一歩上を行く。自分の色にこだわりを持ってデジカメ撮影する人にとっても、DPP出力ならきっと満足できるはずだ。

印刷サンプル(A4)

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