自分のPCは宝の山だった――デスクトップ情報検索ソフト「ConceptSearch」が教えてくれたこと(2/3 ページ)

» 2005年03月07日 00時00分 公開
[中川純一,ITmedia]

 「中川さん、今はもう自分のPCの中の文書はデスクトップサーチソフトで管理しておく時代。いちいち探し回るなんて、遅れてますよ。これを使ったら、昨日の資料作成の時間をどれぐらい短縮できたか、試してくださいよ。驚きますよ」。竹村氏の持論はこちらの記事を参照していただくとして、TUMIのカバンから怪しげなモバイル便利ツールまで、竹村氏(ゼロ・ハリ氏というペンネームでも知られている)に教えてもらって、今では私の必携ツールになっているものが数知れずある。早速試させてもらうことにした。

データ収集の手間が“秒単位”になった……

 このソフトを使う上でまずやらなくてはならないのは、データベースの構築。このソフトで一番手間がかかるのは実はここで、ちょっとした通過儀礼のようなものだ。マシンのパフォーマンスやファイル数などに依存するので一概には言えないが、Pentium 4/3.4GHzのマシンで「マイ ドキュメント」にある530フォルダ、約2万3000のファイルを対象にDBを作成したところ、作成時間は15分ぐらい。一方、5万通ぐらいのメールを保存してある「Becky! Ver.2」を対象にしたら3時間40分ほどだった(まあ、普通の人はこんなにメールを貯めこんでいないだろうが)。

 ただ、フォルダ、ないしメールで対象を選んで「更新」ボタンを押すだけなので、当人に苦労はない。でき上がるのを待つだけだ。その後の更新については、「更新スケジュール」を設定して「毎週水曜の午前6時」と言った具合に自動更新させることができる。大変なのは1回目だけ。後は手間なしだ。

データベースの作成作業は簡単。対象となるフォルダやDB更新のスケジュール設定などをすれば自動的に作成を開始させることもできる
DBの更新日時などは「ConceptSearchフォルダ管理ツール」のプロパティ画面で確認できる

 では実際に、先日の会議のために探した資料を洗い出せるかやってみよう。対象はフォルダとメールの全部。ConceptSearchの検索はGoogleみたいにキーワード単位ではなく、自然な文章で入力できるので、探したい内容を思いつくままに入れていけばよい。まず「コンシューマの予算案。大槻さんや藤村さんとのやり取り。コンシューマ部門の現状分析。ユニット別の損益評価。原価管理。PVとUUの推移」と入れてみた(ちなみに藤村はITmediaの会長、大槻は社長の名前である)。

 自然な文章と言っても長い文章をいきなり作るのは意外と難しいもので、キーワードと文章の中間のようになっているが、かなり好き勝手な検索文章の入れ方であることが分かるだろう。で、「検索開始」ボタンを押す。ものの10秒もかからないうちに、ずらずらずらと50個のファイルとメールが表示された(表示する文書数は1から1000の間で任意に設定できる)。

 筆者はそのリストを見て思わず笑ってしまった。当て外れのものも中には混ざっているが、先日、資料を作成するときに使ったファイルやメールがずらずらと並んでいるのだ。画面でお見せしたいぐらいなのだが、どう考えても弊社の極秘資料ばかりである。記事掲載の翌日には、筆者は懲戒免職処分になっているかもしれないので、残念ながら割愛させていただく。

 次にもうちょっと自然な文章らしくと「これまでコンシューマ部門、モバイルとかPCUPdateとかLifeStyleとかがどれぐらい予算を修正してきたか」と入力してみる。先ほど入力した文章(?)だと、(コンピュータから見れば)関連のない単語がバラバラに入っているので、どの文書を優先的に選ぶか、重み付けがしにくかったことだろう。

 だが、今回はその点では文章の意味指すところは明確だ。しかし自然な文章になっている分、コンピュータにはその意味を読み取りにくいはずだ(と筆者は思った)。実際、筆者のPCの中には、“予算”とか“修正”という単語を含む、予算修正とは関係ないコンシューマ部門や各チャンネルの文書、あるいは自分たちの部門との関連性が低い予算関連文書がたくさん混ざっている。単純に文章内の「単語」だけからそんな文書をゴロゴロ優先的に選んでしまうようであれば、自分の手で探すのと大差ないことになってしまう。意地悪く、そういう文書が一番ごちゃごちゃに入っている(自分でさえ管理不能に陥っている)メールボックスから、該当する文書を検索させてみた。

 しかし見事と言うしかない。過去にやり取りした「Re:予算修正」とか「2004年度下期修正予算について(再送)」なんてタイトルのメールやその添付ファイルがずばり選択されている。完璧とまでは言わないが、十分満足できる精度である。メールでこれぐらいなのだから、「マイ ドキュメント」フォルダ内の文書ファイルについては言うまでもない。

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