ボクが初めて触るMac──Mac miniをマルチメディアクライアントとして活用する「完結編」Windowsユーザーが使うMac mini第4回(2/3 ページ)

» 2005年04月15日 11時36分 公開
[平澤寿康,ITmedia]

MPlayer OS X 2は動作が軽く扱いやすい

 というわけで、Windowsマシンに蓄積されているいろいろなマルチメディアファイルを実際にMac miniで再生してみた。

 まずMP3やWMAなどの音声ファイルだが、こちらはさすがに何の問題もなく再生できた。WMAではWindows Media Playerが、MP3ではiTunesがそれぞれ起動するためちょっと面倒だが、それはたいした問題じゃない。iTunes用のWMA再生用プラグインがあればいいのだが、どうやら存在しないようなのでしかたがない。

 iTunesで再生させたファイルは、全部Mac miniにコピーされて、ローカルファイルとして管理されてしまうのだが、この仕組みでは「ネットワークストレージのファイルを再生」ってことにはならない気もする。あっ、それならiTunesがサポートしている音楽ファイル(MP3ファイル)だけはMac miniで管理してもいいか。なんせ手持ちの音楽ファイルはほとんどWMAだったりするので、容量の点も心配ないし。

 それに対し、動画ファイルではいろいろと問題が発生。なんといっても一番困ってしまったのが、一部のファイルでスムーズに再生できない症状が確認されたこと。とくに、DivXファイルで顕著であった。

 確かにこの形式のファイルを再生するにはかなりのパワーを必要とする。とはいっても、Mac miniの低価格モデルに搭載されているPowerPC G4/1.25GHzでも十分なパワーが発揮できるのではないかと思うのだが。

 こういうとき、「無線LAN接続での転送速度不足」が原因である場合も多いが、同じIEEE 802.11gで接続したWindowsマシンで同じファイルを問題なく再生できていることを考えると、それも原因とは考えにくい。

 ということは、単純に再生ソフトの性能差なのかと考えて、いろいろなソフトを使って問題のDivXファイルを再生してみたところ、MPlayer OS X 2がDivXやMPEG-2ファイルを最も安定して再生できるようだ。ただし、それでもたまに再生が途切れてしまうことがあってりして完璧ではない。いろいろ設定を変えてみたのだが、残念ながら現在までに完全に満足できる再生環境を整えることはできなかった。

 もちろん、このような問題が生じるのは一部の動画ファイルだけ。どうも、ビットレートの高いファイルほど再生で引っかかることが多いようだ。例えば、2Mbps以下程度のDivXファイルであればスムーズに再生できるが、3Mbps以上になるととたんに厳しくなる。こう考えると、やはりPowerPC G4/1.25GHzよりもう少しCPUパワーが必要なところなのかもしれない。

 WMV形式の動画ファイルの再生に関しては、とくに表示で引っかかるということはほとんどなかった……、おっと、それもそのはず、手持ちのWMVファイルはビットレート2Mbps以下のものしかないではないか。WMVファイルもDivX同様、再生に結構なCPUパワーを求められるが、手持ちにビットレートの低いファイルしかなかったため、基本的にスムーズに再生できたのだろう。

 ただ、WMVファイルでは別の問題が発生。個人的にキャプチャーカードで録画した番組をWMV9ファイルに再圧縮して保存することが多いのだが、WMV9ファイルを再生できるのはWindows Media Playerのみ。

 「Mac版を導入しているのに、それがなにか問題でも?」と突っ込まれそうだが、Windows Media Playerで全画面表示させた場合、映像データのアスペクト比を無視し、画面全体に引き延ばして表示してしまうのだ。元データのアスペクト比を保持しつつ全画面表示させたいのだが、どうやら現在配布されているWindows Media Playerでは不可能のようなのだ。

 せっかくMac miniのデスクトップを16:9の解像度にしたのにこれでは意味がない。VideoLAN ClientやMPlayer OS X 2では全画面表示時のアスペクト比を指定できるが、それが普通なんじゃなかろうか。今後登場するだろうWindows Media Player 10では改善されることを期待したい。

 そんなこんなで気になる点もあるが、まったく使えないということはない。ファイル形式に応じて利用する再生ソフトを選択すれば、十分快適に動画ファイルの再生を楽しめる。事実、ボクの手持ちファイルの大多数はスムーズに再生できているのだ。

 確かに、ネットワークメディアプレーヤーなどでも同様のことは実現できるかもしれないが、Mac miniを利用したほうがはるかに幅広いマルチメディアファイルを扱えるし、なによりほかにもいろいろな作業ができる。そう考えると、Mac miniをテレビに接続して利用するというのは、かなり理にかなっているのではないか、という気がしてきた。

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