開発者に聞く、“お化け探知機”の正しい使い方(前編)(3/3 ページ)

» 2005年04月21日 08時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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「PARAlogy」――そしてさまざまな仮説

ITmedia ところでその「GRX」とはどのような組織なのですか。

河原 ゴーストレーダー開発に当たって、そのバックボーンにいくつかの「仮説」が存在します。GRXは、そのいろいろな仮説を提供してくれた組織です。

 その1例として「PARAlogy(パラロジー)」という仮説があります。人間の脳は、脳の一部が万一損傷したとしても記憶すべてがなくならないよう、分散記憶、つまりホログラフィック的に記憶していると言われています。

 それと同じコンセプトで、たとえばある人がいなくなったとしても、その人の記憶はそれぞれの別人が少しずつ持っている、それはある意味ホログラフィックな記憶であると言えます。と考えると、その場にいなくてもその記憶は残っている、イコールそういう“もの”が空間にエネルギーとして残っていてもおかしくないのではないのではないか、と、もちろんかなり省略していますが……そのような仮説です。

ITmedia 何か、複雑怪奇な話になってきましたな。で、その仮説がどのように具体化したのでしょうか。

河原 ゴーストレーダー本体の先端に、丸いものがあります。これを「守り玉」と呼んでいるのですが、これが微弱な磁界の変化を計測するセンサーとなっています。

photo 磁界変化を計測するセンサー「守り玉」
photo 装着部にはコイルが巻かれている

 守り玉の中には、直径150umのシャフトにつながれたサマリウムコバルト磁石が入っています。電源を入れるとその周りのコイルより磁界が発生し、基本振幅で1Hz程度、バイブレーションとして数千Hzの副振動がなされる両軸俯角儀になっています。何らかの磁界の変化が発生すると、その周期が変動するわけでして、その変化を検出しているわけです。

photo 守り玉の中身はこのような感じ
photo 本体中身はこのようになっている

 磁界の変化は、磁石を振って、それに対する反応を見ると厳密な検出ができます。原理的にはコンパスを持って歩いているのと似ていますが、その微弱な変化も検出できるようにしたこと、そして磁界の変化、すなわち空間の変化としてとらえようというのが1つのポイントです。

ITmedia 今の話から、90度に折れ曲がった2本の棒を持って、あるいはひもにつるされた水晶にて……というダウジングが思い浮かんだのですが。

河原 それに近いものではあります。あ、じつはゴーストレーダーにはダウジングの機能もあるのです。

 ダウジングは科学的に何が原因でそうなるのか、というのは解明されていないのですが……、本体メニューより「バイオフィードバック確認モード」(注:モード切替ボタンを3回押す)に切り替えていただき、下部にある体抵抗センサー部分(注:黒い部分)を親指で押さえることで、人体より発生する微弱な電界や体抵抗の変化を測定します。

ITmedia マニュアルにあったバイオフィードバックとはこういうことだったのですか。ついでに、改めてゴーストレーダーの正しい(?)使い方を教えていただけませんか。

(後編に続く)


 後編では、マニュアルに掲載されていない利用方法や、その“正しい”使い方を紹介していく予定です。

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