GeForce 7800 GTXの発表と同時にNVIDIAからリリースされたグラフィックスドライバ「ForceWare 77.72」は、GeForce 7800 GTXへの対応やNVIDIA SLIのパフォーマンスアップのためにゲームタイトルごとにチューニングされたNVIDIA プロファイルの実装などが盛り込まれている。
しかし、そのほかに地味な機能ながら「PCパーツの購入資金を調達するのに四苦八苦」というユーザーが注目したい「無印GeForce 6600でもNVIDIA SLIを有効にする」機能も今回新たにサポートされた。
GeForce 6600シリーズは、GeForce 6シリーズのミドルレンジラインアップとして用意されたGPUで、上位モデルのGeForce 6600GTと下位モデルのGeForce 6600がラインアップとして用意されている。GeForce 6600GTとGeForce 6600の違いはコアクロックが前者500MHzに対して300MHz。メモリクロックが前者1GHzに対して後者500〜600MHz(パーツベンダーによって違いあり)といった動作クロックが挙げられる。サポートするAPIやPixelパイプラインなどの内部構成は両者同じである。
GeForce 6600を搭載したグラフィックスカードのほとんどはNVIDIA SLIのためのブリッジチップコネクタを有していない。しかし、GPU内部にはそのためのコントローラとインタフェースが設けられているので、チップの性能としてはNVIDIA SLIに対応できる能力を持つ。
昨年まで「GeForce 6600でSLIに対応しないのは、技術的な理由ではなくマーケティング的にGeFore 6600 GTとの差別化を図るため」と説明していたNVIDIAが、今になってForceWare 77.72以降のドライバで無印GeForce 6600でもNVIDIA SLIを解禁した理由は「799ドル以下の低価格なメインストリームPCでもNVIDIA SLIを利用できるようにするため」とそのニュースリリースで述べている。
とはいうものの、PCパーツベンダーやパーツショップの関係者のなかには、無印GeForce 6600によるNVIDIA SLIの有効性についていろいろと議論も出ているようだ。実際のところどうなのだろうか。少ない予算で「意味のある」3D性能を手にできるのか。それともGeForce 6シリーズの上位モデルを1枚買うほうが手堅いのか。そのあたりのコストパフォーマンスをミドルレンジのCPUを基幹としたパーツ構成のシステムで検証してみよう。
なお、今回「無印GeForce 6600」搭載グラフィックスカードの代表として、先日行われたGeForce 7800GTXの国内発表会でMSIが展示していたファンレスカード「NX6600-VTD256EH」を取り上げた。静音性能を重視するユーザーにとって、相反する高い3Dグラフィックス性能をどれだけ実現してくれるのか、気になるカードである。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Athlon 64 3500+ |
マザーボード | ASUS A8N-SLI |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
ForceWare | 77.72 |
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