イリジウム衛星電話で外洋からインターネットにアクセス勝手に連載!「海で使うIT」(3/5 ページ)

» 2005年08月15日 22時26分 公開
[長浜和也,ITmedia]

イリジウムでメールとインターネットを使う

 「通話ができればいいんです」とは、昔はやった携帯電話のキャッチコピーだが、それでもイマドキの携帯電話にはメール機能が必須。ということで9505A Portable PhoneにもEメール送受信の機能が用意されている。

 「アドレス+半角空白+本文」のテキストを送ることでインターネットのEメールに送信したり、アドレスを「イリジウム端末電話番号@msg.iridium.com」とすることで9505A Portable Phoneにメールを送ることが可能。ただし、この場合、使える文字は英数文字のみで、アドレスを含めた160文字以内のプレーンテキスト、という制限がある。メール1通ごとに50円が課金される。

 「携帯電話ともPCとも自由にメールが交換できるといっても、気象情報のWebサイトにインターネットでアクセスできないと役に立たない」と主張するオーシャンゴーイング志向のヨット乗りもいるだろう。実際、気象情報は船の安全に直結するもので、それも、週間予報よりも48時間予報、48時間予報よりも24時間予報と短期間予報になるほど精度が上がっていく。

 八丈島までの30時間航海ならば出航前に入手しても十分かもしれないが、小笠原諸島までいくとなると、ダイレクトで4〜5日間、八丈島経由でも3日程度は海の上で過ごすことになる。海上で気象情報の入手が必須となるわけで、もちろんラジオの気象通報放送から天気図をおこしたり、気象ファックスを取り付けて専門天気図を「受信」することも必要になってくる。

 このとき、洋上からインターネットにアクセスできる環境があってWebサイトの気象情報を参照できれば、揺れるキャビンで天気図をおこして船酔いにかかることもなくなれば、ノイズのかかった気象FAXで頭を悩ますこともなくなる。

 これまで、インマルサットやワイドスターによって、最速64Kbpsのデータ通信環境が提供されていたが、ある程度の時間を安定してアクセスするためには自動追尾機能を持ったアンテナが必須で、そのための設置スペースとコスト(ワイドスターサービスでは端末本体のレンタルは用意されているが、自動追尾式外付けアンテナは買取のみ。価格は約25万円で工事費は別)が必要であった。

 イリジウム衛星電話でデータ通信をするためには、オプションのデータ通信用キットを2万1000円で購入する必要があるが、自動追尾式のアンテナを使わずに安定した接続が可能であるため、大掛かりなアンテナ用設備とそのための追加コストは必要ない。

キャビンに構築したイリジウム衛星電話によるインターネットアクセス環境。画像では端末本体のアンテナを利用しているが、外付けの延長アンテナも利用できる

 大掛かりな(そして高価な)設備を必要とせずに安定した接続ができるイリジウム衛星電話であるが、難点はデータ伝送速度の遅さ。イリジウム衛星電話は「2400bps」しかでない。陸上の感覚で15年以上も昔の状況にある。KNSLによると、衛星側の事情からほかの衛星電話のような64Kbpsのサービス提供は今のところ考えられないそうだ。

データ圧縮ツールを使って高速アクセス

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